アイネスフウジン 特徴

アイネスフウジン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/26 21:35 UTC 版)

特徴

中野はアイネスフウジンの能力を確信したレースに4着に敗れた弥生賞を挙げている。内からメジロライアンにかわされた際、並の馬なら諦めるところを負けじと抜き返そうとする動きを感じ、この動きから皐月賞勝利を確信したという[27]

デビュー戦の時点で504kgと大柄な馬だった。後駆(トモ)は充実していたがその反面前駆が貧しく、中野は「前のタイヤがパンクした自転車に乗ってる感じ」と表現している。前後のバランスが取れていないため、調教に騎乗していた高市圭二が馬を止める際には何度も転倒するほどであった。そのためにハミに頼る「ハミにぶら下がる」という走法となり、手綱を引くとたちまち均衡を失って騎手との連携が取れなくなる危険があった。また中野によれば「(手綱を控えて進んでも)追って味のない馬」だったため、逃げの戦法を採用したという[27][14]

血統

  • 半弟の中に双子がいる[62]。テスコパールは、アイネスフウジンが日本ダービーを制した1990年にゲイメセンを種付けされ、翌1991年に双子を出産[62]。リアルポルクス、リアルカストールと名付けられて競走馬としてデビューしたが、両馬とも2戦0勝に終わった[63][64]

参考文献

  • 優駿
    • 1990年2月号
      • 吉川良「【GI勝ち馬の故郷紀行】アイネスフウジンの故郷 中村幸蔵牧場」
      • 「1989年度JRA賞 年度代表馬、各部門最優秀馬決定!!」
      • 「1989年度フリーハンデ決定」
      • 大川慶次郎「げっかん評論(東)」
      • 橋本邦治「【今月の記録室】第41回朝日杯3歳ステークス(GI)」
    • 1990年4月号
      • 浅田啓資(共同通信社)「【今月の記録室】第24回共同通信杯4歳ステークス(トキノミノル記念)(GIII)」
    • 1990年5月号
      • 古宮正弘(報知新聞社)「【今月の記録室】第27回報知杯弥生賞(GII)」
    • 1990年6月号
      • 吉沢譲治「【第57回日本ダービー・スペシャル】ダービー有力馬とその父たちの評価」
      • 石井誠(報知新聞社)「【今月の記録室】第50回皐月賞(GI)」
    • 1990年7月号
      • 高橋源一郎「【第57回日本ダービー観戦記】ぼくの予言」
      • 「【オーナー愛馬を語る 46】アイネスフウジンの小林正明さん」
      • 木村幸治「【ジョッキー・トピックス】ぼくは泣かなかった」
      • 桜井裕夫(スポーツニッポン)「【今月の記録室】第57回日本ダービー(GI)」
    • 1990年8月号
      • 吉川良「【GI勝ち馬の故郷紀行】第57回ダービー馬 アイネスフウジンの故郷 中村幸蔵牧場」
    • 2009年6月号
      • 河村清明「【サラブレッド・ヒーロー列伝】GOING MY WAY アイネスフウジン」
    • 2010年6月号
      • 広見直樹「【YUSHUN NONFICTION】あの日一番熱かったダービー」
    • 競馬ブック当日版』
      • 1990年9月1日号

外部リンク


アイネスフウジン血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 エルバジェ系ダークロナルド系
[§ 2]

*シーホーク
Sea Hawk
1963 芦毛 アイルランド
父の父
Herbager
1956 鹿毛
Vandale Plassy
Vanille
Flagette Escamillo
Fidgette
父の母
Sea Nymph
1957 芦毛
Free Man Norseman
Fantine
Sea Spray Ocean Swell
Pontoon

テスコパール
1976 栗毛
*テスコボーイ
Tesco Boy
1963 黒鹿毛
Princely Gift Nasrullah
Blue Gem
Suncourt Hyperion
Inquisition
母の母
ムツミパール
1965 鹿毛
*モンタヴァル
Montaval
Norseman
Ballynash
マサリュウ トサミドリ
ユキツキ F-No.4-d
母系(F-No.) プロポンチス系(FN:4-d) [§ 3]
5代内の近親交配 Norseman4×4、Nasrullah4×5、Firdaussi5×5、Blue Peter5×5 [§ 4]
出典
  1. ^ [60]
  2. ^ [61]
  3. ^ [60]
  4. ^ [60]

注釈

  1. ^ 1989年の葉牡丹賞(500万円以下)は中山競馬場・芝2000メートルで行われ、メジロライアンなど11頭が出走、勝ち馬はプリミエール。
  2. ^ ハイペースは一般的に、逃げ、先行する馬が不利とされる。
  3. ^ 内訳はヤマニングローバルに43票、コガネタイフウに9票、ツルマルミマタオーとプリミエールに各1票、該当馬なしは6票。[24]
  4. ^ 朝日杯3歳ステークスで先頭を争ったサクラサエズリはJRA賞最優秀3歳牝馬を受賞した[24]
  5. ^ 当時はまだ「ウイニングラン」が定着しておらず、スタンド前からの退出は一般的ではなかった。
  6. ^ 後に所有し、アイネスフウジンよりも先にデビューした馬が複数頭存在する。1歳上のアイネスボンバーはアイネスフウジンの前年の皐月賞に出走した[13]
  7. ^ 南関東公営競馬では既に馬主をしていた。大井競馬場所属のマルタカリボーは、1988年の春に中央競馬に移籍し、条件戦2連勝を記録している[13]
  8. ^ アイネスフウジンの1年後輩
  9. ^ キャンター(駈歩(かけあし)で移動する場合が多い。

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t アイネスフウジン”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年8月20日閲覧。
  2. ^ a b ダービー馬アイネスフウジン死亡”. netkeiba. ネットドリーマーズ. 2019年7月24日閲覧。
  3. ^ “【ダービーの栄光】(2)1990年アイネスフウジン”. サンケイスポーツ. (2018年5月23日). https://race.sanspo.com/keiba/news/20180523/etc18052305040001-n1.html 2019年7月23日閲覧。 
  4. ^ アイネスフウジン「魅了する風神」OH03-H061 | カードショップ うるま屋 powered by BASE”. カードショップ うるま屋. 2024年4月26日閲覧。
  5. ^ 『優駿』1990年2月号 25頁
  6. ^ (有)中村牧場|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2021年12月12日閲覧。
  7. ^ a b c d e f 『優駿』2009年6月号 155頁
  8. ^ ムツミパール”. JBISサーチ. 2021年5月24日閲覧。
  9. ^ 繁殖牝馬情報:牝系情報|ムツミパール”. JBISサーチ. 2021年5月24日閲覧。
  10. ^ a b c 『優駿』1990年4月号 136頁
  11. ^ 『優駿』1990年2月号 24頁
  12. ^ a b 『優駿』1990年8月号 19頁
  13. ^ a b c d e 『優駿』1990年7月号 56-57頁
  14. ^ a b “ナカノコール”のアイネスフウジンを今振り返る”. サラブレモバイル. KADOKAWA. 2019年7月24日閲覧。
  15. ^ 3歳未勝利|1989年10月22日”. netkeiba.com. 2021年5月25日閲覧。
  16. ^ a b c d e f g h 『優駿』1990年2月号 142-143頁
  17. ^ 朝日杯3歳ステークス|1989年12月17日 | 競馬データベース - netkeiba.com”. db.netkeiba.com. 2021年5月25日閲覧。
  18. ^ a b 『優駿』2009年6月号 156頁
  19. ^ a b 『優駿』2009年6月号 157頁
  20. ^ 『優駿』1990年2月号 12頁
  21. ^ 中野栄治の騎手成績(1989年の勝利一覧)”. netkeiba.com. 2021年5月25日閲覧。
  22. ^ 『優駿』1990年7月号 62頁
  23. ^ 『優駿』1990年2月号 134頁
  24. ^ a b c 『優駿』1990年2月号 55頁
  25. ^ 『優駿』1990年2月号 69-70頁
  26. ^ 『優駿』1990年5月号 131頁
  27. ^ a b c d e 『優駿』2009年6月号 158頁
  28. ^ 『優駿』1990年5月号 130頁
  29. ^ a b c 『優駿』1990年5月号 6頁
  30. ^ 第81回東京優駿(日本ダービー) 歴代優勝馬ピックアップ アイネスフウジン|GⅠ特集”. JRA-VAN. 2021年5月28日閲覧。
  31. ^ a b c d アイネスフウジンに19万人の中野コール/ダービー”. 極ウマプレミアム. 日刊スポーツ. 2019年7月24日閲覧。
  32. ^ a b 『優駿』1990年7月号 140-141頁
  33. ^ a b “【平成の真実(10)】平成2年5月27日「史上最多19万人来場ダービー」”. サンスポZBAT!競馬. (2018年12月5日). http://race.sanspo.com/keiba/news/20181205/etc18120510000001-n1.html 2021年5月28日閲覧。 
  34. ^ a b 『優駿』1990年7月号 5頁
  35. ^ a b 『優駿』2009年6月号 161頁
  36. ^ a b 『優駿』1990年7月号 10頁
  37. ^ 『優駿』2010年6月号 47頁
  38. ^ “【平成の真実(10)】平成2年5月27日「史上最多19万人来場ダービー」 (4/4)”. サンスポZBAT競馬 (サンケイスポーツ). http://race.sanspo.com/keiba/news/20181205/etc18120510000001-n4.html 2019年7月24日閲覧。 
  39. ^ 『競馬ブック』当日版 1990年9月1日号 最終頁
  40. ^ 史上に残る三強対決を制す アドマイヤベガ[1999年]”. JRA-VAN. 2019年7月31日閲覧。
  41. ^ キングカメハメハ レコードでGI連勝[2004年]”. JRA-VAN. 2019年7月31日閲覧。
  42. ^ アイネスフウジンの競走成績”. netkeiba.com. ネットドリーマーズ. 2019年8月20日閲覧。
  43. ^ アイネスフウジン 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年8月20日閲覧。
  44. ^ 種牡馬情報:世代・年次別(サラ系総合)|アイネスフウジン|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2021年12月12日閲覧。
  45. ^ ファストフレンド”. JBISサーチ. 2019年7月31日閲覧。
  46. ^ スノーエレガンス|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2023年8月5日閲覧。
  47. ^ アミー”. JBISサーチ. 2019年7月31日閲覧。
  48. ^ ヤシロビックボーイ”. JBISサーチ. 2019年7月31日閲覧。
  49. ^ ヒラカツアスカ”. JBISサーチ. 2019年7月31日閲覧。
  50. ^ リスポンスフウジン”. JBISサーチ. 2019年7月31日閲覧。
  51. ^ ■1990年■日本ダービー~アイネスフウジン&中野栄治~”. 二宮清純 プロフェッショナル列伝. ニッポン放送. 2019年7月31日閲覧。
  52. ^ 中野師とアイネスフウジンとの出会い”. デイリー馬三郎. デイリースポーツ. 2019年7月31日閲覧。
  53. ^ 『優駿』1990年7月号 58頁
  54. ^ 馬主の自殺、バブルの残滓 今振り返る、平成ダービー「裏面史」 平成最後のダービー、30年の悲喜こもごも”. 文春オンライン. 文藝春秋. 2019年7月24日閲覧。
  55. ^ 『優駿』1990年6月号 12-13頁
  56. ^ 【平成の真実(10)】平成2年5月27日「史上最多19万人来場ダービー」 (3/4)”. サンスポZBAT競馬. サンケイスポーツ. 2019年7月24日閲覧。
  57. ^ 『優駿』2009年6月号 160頁
  58. ^ メイステークス|1990年05月26日”. netkeiba.com. 2021年5月28日閲覧。
  59. ^ 緻密な計算がもたらしたダービー優勝の栄冠”. サラブレモバイル. KADOKAWA. 2019年7月24日閲覧。
  60. ^ a b c 血統情報:5代血統表|アイネスフウジン”. JBISサーチ. 2017年8月28日閲覧。
  61. ^ アイネスフウジンの血統表”. netkeiba.com. 2017年8月28日閲覧。
  62. ^ a b 双子のサラブレッドが両馬ともにJRAデビューしたケースは - トリビア牧場”. 競走馬のふるさと案内所. 日本軽種馬協会. 2019年7月24日閲覧。
  63. ^ リアルポルクス”. JBISサーチ. 2019年7月24日閲覧。
  64. ^ リアルカストール”. JBISサーチ. 日本軽種馬協会. 2019年7月24日閲覧。






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