四診とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > ヘルスケア > 医療 > > 四診の意味・解説 

し‐しん【四診】

読み方:ししん

漢方診察法で、望診聞診問診切診四つ


四診

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/15 14:23 UTC 版)

四診(ししん)とは、東洋医学の主体となる診断法である。望・聞・問・切の四つをもって四診と呼ぶ[1]。 望・聞・問・切とは、望診、聞診、問診、切診のことである。

望診

体を見ることで診断する方法。主に顔や上腕などの皮膚の血色を見て診断する。現代中医学において、最も特徴的なものは舌診である。 姿勢や歩き方を見ることも望診に入れる場合があるが、これは現代医学の影響を受けた内容である。伝統医学的なものに姿勢や歩き方は含まれない。ただし、体格などについては『素問』に詳細な記載がある。

顔面診

顔の皮膚の色で診断を行う方法。眉間の色を見て、その人の体力を見る方法と、『難経』のように東西南北と五行を当てた方法がある。

  • 眉間=心の色が表れる。またその人の神気を見る。
  • 左頬=肝の色が表れる。
  • 右頬=肺の色が表れる。
  • 鼻 =脾の色が表れる。酒毒による熱があると、鼻が赤くのはこれによる。
  • 顎 =腎の色が表れる。

舌診

舌診(ぜっしん)とは、舌の色や、舌を覆うこけ状の物(舌苔=ぜったい)を観察して診断・治療に役立てることである。よく知られているのは、淡黄色の舌苔で、小柴胡湯などの証とされている。中国では舌診の研究がかなり盛んで、「舌診的研究」という本には、数百のパターンが紹介されている。

尺膚診

前腕前面の皮膚の色を見て診断する方法。日に焼けにくい部位なので、皮膚本来の色が見やすいと考えられる。ただし、症状全体と本来の体質と皮膚の色との相関関係をまとめた方法が少なく、五行論的な色の見方しかできない。

  • 青=肝の色。風と関係する。本来は静脈の色なので、血行が悪いことを意味する。
  • 赤=心の色。熱と関係する。動脈と関係がある。
  • 黄=脾の色。湿と関係する。脂肪の多い状態か。
  • 白=肺の色。本来、皮膚は白くきれいな方がよいが、血色の悪い状態ともいえる。
  • 黒=腎の色。疲労や老化により、皮膚が黒ずんでくるものをいっていると考えられる。

聞診

「聞」は「きく」ことで、声の調子や、呼吸音だけなく、体臭や口臭などの臭いを嗅ぐことも含まれる。

  • 臊(あぶらくさい)=肝と関係する。
  • 焦(こげくさい)=心と関係する。実際には、五行論的に火が燃えた後の臭いと指すと考えられる。
  • 香(かんばしくさい)=脾と関係する。いい臭いではなく、五味とも関係して、甘い臭いを指すと考えられる。
  • 腥(なまぐさい)=肺と関係する。文字通り、生臭いとも考えられるが、肺=金であり、金属臭的も想像できる。
  • 腐(くされくさい)=腎と関係する。腎は水と関係があるので、腐りやすい状態と関連させたものと考えられる。

問診

様々な状態を問うこと。主訴、自覚症状、家族歴、現病歴、既病歴、生活状態などを質問する。

切診

「切」とは触れることで、体の特定の部位に触れることで診断を行う。症状のある部位を触れることもあるが、基本は脈診のことである。今では腹診も切診に含まれる。

脚注

  1. ^ 山田慶児『中国医学の思想的風土』潮出版社、1923年、P.64頁。 

四診

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 04:19 UTC 版)

漢方医学」の記事における「四診」の解説

治療法決定するためには四診(望、聞、問、切)を行う。四診は証を明らかに漢方薬処方決定する目的行われる望診ぼうしん医師肉眼による観察体格顔色皮膚の艶、舌の状態等。特に舌の観察をもとにした診断舌診(ぜっしん)と呼び重要視される聞診ぶんしん医師聴覚嗅覚による観察患者の声、咳の音、口臭体臭排泄物の臭いなどから診断する問診もんしん漢方独自の概念はあるものの、基本的に西洋医学同様に家族歴既往歴現病歴愁訴を問う。西洋医学よりも詳しく一見無関係な質問行い全身状態把握努める。 切診せっしん医師の手直接患者触れて診察する方法。脈の状態から診断する脈診(みゃくしん)と腹の状態から診断する腹診ふくしん)が特に重要である。脈診では、脈拍不整脈のみならず、脈の速さ強さ深さ緊張度などから病態把握し腹診では胸脇苦満、心下痞硬、胃内など腹部特別な所見有無を診る。腹診は、日本独自に発達した診察法である。

※この「四診」の解説は、「漢方医学」の解説の一部です。
「四診」を含む「漢方医学」の記事については、「漢方医学」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「四診」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



四診と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「四診」の関連用語

四診のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



四診のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの四診 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの漢方医学 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS