菜箸
(取り箸 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/03 04:12 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動菜箸(さいばし)は、料理の調理や盛り付け及び食事の取り分け用に使われる調理器具で箸の1種。通常、食事用の箸に比べてかなり長く、約1.5~2.5倍程度の長さがある。
調理用の菜箸
調理の際に、食材をかき混ぜたり、つまむなどの用途に使用する。また皿や椀への盛り付けの際にも使用される[1]。箸の先に刻みを入れ、食材をつまむ際に滑らないようにしたものも多い。
天ぷら・野菜炒め・煮付けなど、火や油・熱湯を使い食材が高温になる料理に使われることが多いため、耐熱性の問題から竹製または木製であり、塗りはされていない。金属製のものもあり、天ぷら箸などの菜箸では先端部分のみが金属製になっているものもある。 食事用の箸と異なる点として、吊り下げて乾燥させやすい取り扱いの便と、片方がなくならないように、2本を糸や紐で繋いであることが多い事が挙げられる。
菜箸が食事用の箸に比べて長い理由は、
- 食事用の箸が食卓に置かれた食器や手に持った食器から料理を口に運ぶ距離が短いのに比べて、菜箸は調理中の熱から手先の火傷を予防する目的
- 調理台や配膳テーブル上の料理を立ちながら利用しやすくするため、料理する者の手ともてなす客が食べる料理との距離を離すこと
などの理由による。
さまざまな調理の上で欠くことのできない調理器具で、調理器具を販売している店で安価に購入できる。
取り分け用の菜箸
懐石料理や中華料理で、料理の盛られた皿から個々の皿に取り分ける際に使用する。取り箸ともいう[2]。中華料理用は竹製や樹脂製であることが多い。また、塗りや装飾がされていることもある。
脚注
取り箸
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 06:30 UTC 版)
日本では、各自が食べるものがそれぞれの器に必要量取り分けて供される個食化、および、各個人が使う食器がそれぞれ各人に固定されている食器の属人器化が一般的であり、多人数で共用する大皿料理や鍋料理には通常取り箸や共用匙が置かれ、これを使用して取り分ける。自身が使用している箸で直接取る直箸は非衛生的でマナー違反とみなされる。取り箸がない場合、箸を口につける前に取り分けたり、箸の口につけない頭側の端を使って取り分けることもしばしば行われる。 中国では来客に自分の箸で取り分けるのが親愛の情の表現とされるが、最近は公筷(公用箸)・公勺と呼ばれる取り箸・共用匙の利用が推進されている。特に2003年の新型肺炎発生以降、香港、シンガポール、中国でレストランや家庭において公筷公勺の使用が積極的に推進された。 香港では香港医学会を中心に「公筷公羹 安全衛生」キャンペーンが2005年から繰り広げられている。取り箸・共用匙の使用は2003年には46%だったが、2005年には65%に増加した。シンガポールでも新型肺炎以降、レストランにおける公筷公勺の使用が強化された。元々生活が洋式化されており、これが取り箸・共用匙の利用が促進される一因となっている。一方、中国では新型肺炎後、中高級ホテル・レストランでの公筷公勺の使用が推進されたが、罰則もなく利用者も必要性を感じないため2005年時点では徐々に廃れていっていることが懸念されている。 朝鮮料理ではバンチャン(반찬, 飯饌)やチゲは通常直箸直匙であるが、朝鮮料理の世界化を目指す上で取り箸や共用匙の使用を薦める意見もある。
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