フロント‐ガラス
《(和)front+glas(オランダ)》自動車などの前面にある防風用ガラス。フロントグラス。
[補説] 英語ではwindshieldまたはwind-screen
フロントガラス
運転者席前面の窓ガラスである。衝突破損時の人身傷害を減らすため、保安基準では合わせガラスの装着を義務づけ、普通板磨きガラス2mm+中間膜PVB(ポリビニールブチラール)0.76mm+普通板磨きガラス2mmの4.76mm厚ガラスを一般に使用している。一部の廉価車では、軽量化のため2mm厚を1.8mmに下げ、4.36mm厚を使用している車種もある。ほかの遵守義務として(1)損傷した場合の運転者の視野の確保(2)容易に貫通されないもの(HPRガラス)(3)透明でゆがみのないもの(4)可視光線透過率が70%以上(5)検認票、検査標章、違法駐車ステッカー、故障ステッカー、貼付け式後写鏡など、指定されたもの以外の物品貼り付けは禁止されている。濃色フィルムやコマーシャルステッカーを貼り付けるのは許されない。
参照 合わせガラスフロントガラス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/10 05:00 UTC 版)



フロントガラス(和製英語: Front glass、アメリカ英語: Windshield、イギリス英語: Windscreen)は、フロントウィンドー(Front Window)とも呼ばれ、自動車、列車、飛行機などの移動体の前面で、前景を見通せるようにした窓をいう[1]。
なお、自動車の後方の窓はリアウィンドー(Rear window)[2]、車両の左右の窓はサイドウィンドー(Side window)と呼んでいる。
20世紀以前では事故が起きた時にフロントガラスが飛散して運転席や助手席に座った人の命を奪っていた。20世紀初めにフランス人科学者エドゥアール・ベネディクトゥスが樹脂を間に挟んだ合わせガラスを発明し、特許を取得して、飛散しない合わせガラス製フロントガラスを製造する会社Verre de Sécurité Triplexを1912年に設立した[3]。この合わせガラス開発以降の車用フロントガラスでは、安全面を考慮して両面のガラス層の中間にプラスチックの層を入れていて、全体をフロントガラス・フレームに接着させている。オートバイの前面にあるものは、全体がポリカーボネートでできている。
小石でもひびが入る場合があるが、熱によって熱割れが起きる場合がある[4]。
天候対策
フラントガラスの前面にはワイパーとワイパー液で雨やゴミを除去する装置がある。ガラスの後方(運転手前面)にはデフォッガー(デフロスター)と呼ばれる曇り止めのための温風の吹き出し口がある。また曇り防止用の薬剤曇り止めをあらかじめ塗布する場合もある。
日が強い場合は、フロントガラスの上面にあるサンバイザーを下して対応する。
緊急時の脱出
水中に落下した場合などの緊急時には、緊急脱出ハンマーや座席のヘッドレストを用いてガラスを破砕して脱出が試みられるが、ガラスの中央部やフロントガラスに使われる合わせガラスは割りにくいため、サイドウィンドーなどの隅を叩くことが推奨される[5][6][7]。
上面の着色
上面の日差しを遮るためのフロントガラスの上面にある着色は、トヨタや日産などではトップシェード、ホンダ車ではハーフシェードと呼ばれ初代NSX以降に採用されていた。しかし、衝突被害軽減ブレーキやレーダークルーズコントロール用のカメラやセンサーがフロントガラスに装着されるようになると、それらの採用が多くなり干渉するため採用が減少している。一方マツダは、開放感や視界などの点で不利となる場合があるため、そもそも採用することがほぼないとしている[8]。
違法行為
フロントガラスやサイドガラスに検査標章などの指定されたもの、ドライブレコーダーなどの各種センサー以外の貼り付けは、『道路運送車両の保安基準の細目を定める告示』第39条(窓ガラス)によって禁止である[9]。可視光線透過率が70%未満となるように付けられた着色フィルムなども違法である[10]。
また、フロントガラスの上から20%を超える上面の着色となるグラデーションフィルムは車検を通らないとされる[8]。
脚注
- ^ フラントガラス(コトバンク)
- ^ リアウィンドー(コトバンク)
- ^ “Le verre feuilleté, tombé de l'échelle” (フランス語). Les Echos (2014年7月16日). 2025年2月3日閲覧。
- ^ “真夏の炎天下で「クルマのフロントガラス」が割れた? 小キズ放置が危険な理由とは”. くるまのニュース (2023年6月18日). 2025年2月3日閲覧。
- ^ “車が水没してドアが開かない⇨ガラスのココを叩けば割れやすい。警視庁がコツを伝授、命を守る「緊急脱出ハンマー」”. ハフポスト (2024年8月16日). 2024年12月20日閲覧。
- ^ 自動車ユーザーの皆様へ サイト:国土交通省
- ^ “77歳女性も窓ガラスを“簡単に割れる”…車水没時の脱出方法は?車内にある“アレ”を使って警察官が伝授”. www.tokai-tv.com. 2025年2月10日閲覧。
- ^ a b “なぜ車の「色付フロントガラス」無くなった? お洒落の象徴「トップシェード」激減の理由”. くるまのニュース (2020年2月22日). 2025年2月3日閲覧。
- ^ 交通タイムス社 (2024年5月16日). “クルマのフロントウインドウに「吸盤式お守り」の貼り付け……は違反かも! 取り付けられるモノは厳しく規定されていた”. WEB CARTOP. 2025年2月1日閲覧。
- ^ “自動車のフロントガラスに着色フィルムを貼ると違反になりますか?”. JAF(日本自動車連盟). 2025年2月1日閲覧。
参照項目
「フロントガラス」の例文・使い方・用例・文例
- フロントガラスをふきますか。
- フロントガラスが曇った.
- フロントガラスに氷が張っている.
- 車のフロントガラスはすっかり曇った.
- (自動車の)広角型のフロントガラス.
- 日差しがフロントガラスに差し込んだので、運転手は目を細くした
- フロントガラスは曇った
- 砕けたフロントガラスのガラスが彼女の額を切った
- フロントガラスのワイパーをまわす
- フロントガラスに対して打ち鳴らすように雨が降る
- (フロントガラス、冷蔵庫または飛行機の翼などから)氷や霜を除去するヒーター
- 車のフロントガラスから霧を取り除くヒーター
- 自動車でエンジンを作動させ燃料を発火させ、ライト・フロントガラスのワイパー・ヒーター・エアコンディショナ・ラジオを作動させる設備
- 自動車のフロントガラスの上部に取り付けられた、(しばしば緑雲母の)、日除け
- 視界のよいフロントガラス
フロント・ガラスと同じ種類の言葉
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