X.25プロトコルのバージョン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 14:10 UTC 版)
「X.25」の記事における「X.25プロトコルのバージョン」の解説
CCITT/ITU-T のこのプロトコルについての仕様は公衆データ網に関するものである。ISO/IEC の仕様ではプライベートネットワーク向け機能が追加されており(例えばLANでの利用を意図している)、同時にCCITT/ITU-Tの仕様とも互換を保っている。 ユーザファシリティなどの機能のサポート状況は版によって異なる。以下に主なX.25プロトコルの版を示す。 CCITT 勧告 X.25 (1976年) Orange Book CCITT 勧告 X.25 (1980年) Yellow Book CCITT 勧告 X.25 (1984年) Red Book CCITT 勧告 X.25 (1988年) Blue Book ITU-T 勧告 X.25 (1993年) White Book ITU-T 勧告 X.25 (1996年) Grey Book X.25 勧告では、多数のオプションを定義しており、各ネットワークがそれらをサポートするか否か、あるいはどう実行するかを選択できるようにしている。従って、各ネットワークは自身のX.25実装がどうなのかを文書で明らかにする必要があり、それによってDTE機器製造業者がそのネットワーク向けの設定を評価できるようになる。設定が間違っていると、ネットワーク内のリソースを浪費して他の接続にまで影響を与えることがある。従って、加入者のDTE機器は接続するネットワークに合わせて設定する必要がある。設定が間違っていると、全く通信できないこともある。また、機器とネットワークの組合せが不可能な場合もある。これはTCP/IPとの大きな違いである。 公衆網はプロトコルの初期の版から採用しているが、加入者は非互換の発生を恐れて新しい版に移行したがらないため、新版の実装費用の捻出に苦労した。多くの公衆網は1980年版までをサポートし、一部が1984年版までサポートしていた。1990年ごろにはX.25向けの新しいネットワークスイッチの開発は下火になり、1993年版や1996年版を実装した機器はほとんどない。 さらに CCITT/ITU-T のプロトコル規格に加えて、ISO/IEC 8208 にも以下の4つの主な版がある。 ISO/IEC 8208 : 1987 - 第一版、X.25(1980年)および(1984年)と互換 ISO/IEC 8208 : 1990 - 第二版、X.25(1988年)と互換 ISO/IEC 8208 : 1995 - 第三版、X.25(1993年)と互換 ISO/IEC 8208 : 2000 - 第四版、X.25(1996年)と互換
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