TOパッケージ (Transistor Outline)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 05:22 UTC 版)
「パッケージ (電子部品)」の記事における「TOパッケージ (Transistor Outline)」の解説
Transistor Outlineの名の通り、トランジスタのパッケージとして開発されたが、各種IC、センサー、受動部品に至るまで幅広いデバイスに使用されている。パッケージ材質としては金属、セラミック、プラスチックがある。 金属 メタルCANと呼ばれる缶状の金属に入れたもの。リードフレームの付いた金属の台座に素子を載せてボンディングし金属缶をかぶせたものと、金属缶の中にリードフレームを付けた素子を入れて底から樹脂を充填したものがある。ほとんどの場合、外装の金属部分は端子の1つとして内部素子に接続されている。かつては多くの製品で使われたが、現在では一部での使用に限られ、オペアンプやセンサーなどではノイズや帯電を抑えること、パワートランジスタなどでは放熱を目的としている。現在では主に以下のデバイスで使用される。レーザーダイオード レーザーダイオードで波長を安定させるためには、温度一定に保持する必要があるため金属外装が使用される。また静電気及び電磁波を遮蔽する目的もある。 センサー フォトダイオード等のセンサーで機器の外部にセンサーを露出させる場合、静電気による帯電を防止するために使用される。またGa系の半導体センサーを冷却して使用する必要がある場合にも金属の外装が使用される。 微小電力の増幅器 数ナノA以下の電流を扱う増幅器の場合、プリント回路板との浮遊容量を遮蔽するために使用される。 トランジスタをパラレルまたはコンプリメンタリ・ペアで使用する TO-3など大型金属パッケージは他のパッケージより熱抵抗が小さいため、出力段に複数のトランジスタを使用する場合に個別のトランジスタの温度を揃え易い。主にマニア向けのアナログパワーアンプ等に使用される。 セラミック 形状は短円柱状のものが多い。主に高周波用トランジスタに用いられたが、次第にプラスチック製パッケージにとって代わられた。 プラスチック 形状は様々。小電力の製品は半円筒状のものが多い。ほとんどのTOパッケージはプラスチックである。箱状のピン数が多い物は後述のSIPと同じ。5ピン以上の製品はTO、SIPどちらとも呼べる。発熱の大きい電力用素子では背面にネジ穴の空いた金属板が露出するようになっており、ここに放熱器を取り付ける。また表面実装型のTOパッケージは全てプラスチック製で、放熱板付きのものは基板上に広く半田付けして放熱するようになっている。
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