実質的同等性
私たちは、毎日いろいろな作物を食べているが、これらの食べ物の安全性は、人類が長い間食べ続けるため工夫してきた調理法などの経験で確保されている。例えば、ジャガイモの芽のように毒のあるものは皮をむいて毒のある部分を取り除き、ダイズは生で食べると、おなかをこわしてしまうので加熱して食べる。このように、作物(食品)にはさまざまな成分があり、含まれている成分すべてが安全というわけではない。
このようなことがあるので、遺伝子組換え(作物)食品が安全かどうか、これまで安全に食べられてきた作物(食品)と比較する考え方である。つまり、遺伝子組換え作物(食品)と、これまで人が食べてきた非組換え作物(食品)とを比べて「実質的に同じかどうか」が検討される。それは、
(1)遺伝的素材に関する事項、
(2)広範囲なヒトの安全な食経験に関する資料、
(3)食品の構成成分などに関する資料、
(4)既存種と新品種の使用方法の相違に関する資料
の各要素について検討し、当該植物と、既存のものが全体として食品としての同等性を失っていないと客観的に判断できるかどうかにより行う。
「実質的に同等とみなせる」と客観的に判断された場合、これまで安全に食べられてきた作物(食品)の知見などの蓄積が十分であるから、同じ成分の安全性は評価をされない。しかし、新しく生じる変化(新しく導入した遺伝子により変化した成分などの安全性など)については安全性が評価される。
このように実質的に同等とみなすこと自体が、遺伝子組換え作物(食品)が安全であることを意味するわけではない。実質的に同等な遺伝子組換え作物(食品)の安全性は、さらに新しく導入した遺伝子により変化した成分などの安全性などを比較評価して、安全性を判断している。
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