SMとしての性器切断
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 05:03 UTC 版)
SMの要素、プレイのひとつに「切断」がある。これは四肢切断なども含む言葉であるが、いずれにせよ、これらが現実に行われるケースは少ない。切断される側が仮に承認したものであったとしても、日本では医療関係の法規に違反すると解されており、場合によっては傷害罪に問われる可能性もあるからである。 しかし、このような加虐嗜好または被虐嗜好を有する者は現実に存在し、アメリカ合衆国やカナダにおいては、このような行為を支援する「BME(Body Modification Ezine)」や「Eunuch Org」などの組織が、インターネット上でサイトを開設し、法規に触れない自己切断の事例報告、非合法で行う素人手術(ほとんどが家畜用去勢器具を利用した睾丸のみの去勢)への注意事項の周知、BBSやチャットにおける情報交換、中南米のある国(国名はネット上では明らかにされていない)における医師による手術の実践イベントの募集などが行われている。 切断部位としては、睾丸のみの摘出、睾丸と陰嚢の切除、亀頭切断、陰茎の一部切断、腹腔外部の陰茎切断、腹腔内部も含めた陰茎の全部切除、全生殖器の切除などがあり、陰茎の全部切除や全生殖器の切除の場合は、洋式便器に座っての排尿をスムーズにするため、尿道口の下方への付け替えなども行われる。 日本においても切断プレイを描いた小説や漫画、あるいはアダルトゲームなどは複数存在している。 SMプレイとしての性器切断の意義であるが、腕や脚といった部位の切断の場合は、一般生活上での支障を来すものの、痛覚こそあっても性的な概念に直結するものとは言えない。手足の自由を奪っての緊縛プレイや放置プレイは存在するが、これらは切断による痛覚を乗り越えた先にあると言え、フィクションではしばしば登場するが現実的なプレイとは言い難い。 また、切断に伴う単純な肉体的痛覚に留まらず、切断行為後は、自分が一生涯生殖行為を出来なくさせられるか、重大な支障を来たすようにさせられる、または、相手を一生涯生殖行為を出来なくさせるか、重大な支障を来たすようにしてしまうという、精神的な絶望感または征服感が、興奮をもたらすと考えられる。切断の部位によっては、性欲だけ残るものの満足な、あるいは一切の性的行為ができないといった、貞操帯着用プレイに似た興奮をもたらす場合もある。
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