SMにおける調教
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/08 03:40 UTC 版)
SMの世界では、前述の侮蔑的な意味を踏まえて人間に対し調教を行う。これは世間の一般常識に慣らされてしまっている相手に対し、SM的手法による性的快楽を促すためのものである。 具体的には、羞恥心は誰もが持っているものであるが、その羞恥心によって性の喜びを享受しきれない場合もある。例を挙げるなら、「緊縛されたり、鞭打たれたり、浣腸されたりすることで快感を覚えることが変態性欲であり、それが異常だと思っている」相手を、「緊縛や鞭打ち、浣腸(その結果の、他人の眼前での排泄なども含む)という行為で快感を覚える、現実の自分自身を恥じないようにする」、そんな一種の教育をSM世界での「調教」と呼ぶ。 またあるいは、被虐者が責め手のきびしく淫猥な責めプレイなどに耐えかねて、「その羞恥や苦痛、恥辱から脱したい、もしくは周囲の人間に救いを求めたい」、などと思いかけた際に、「その思いを上まわる快楽やSMプレイへの欲求を、被虐者の心身に修得させ、改めてSMの世界に引きずり込む」ことも、同様の「調教」といえる。 ただし、あくまでSMプレイの範疇であり、精神的に追いつめると、意図しない結果を招くこともある。一般的に肉体的精神的苦痛を受けた人間は、苦痛を与える人間に従順になり、ある程度の命令に従うようになる。その傾向が強くなると、暴力ですら好意的にとらえ、相手に依存感情を持つ場合すらある。これはSMとは関係ない人間の適応機制の一種であり、防衛反応の一種である。
※この「SMにおける調教」の解説は、「調教」の解説の一部です。
「SMにおける調教」を含む「調教」の記事については、「調教」の概要を参照ください。
- SMにおける調教のページへのリンク