RSおよびRS II
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「1分子リアルタイムシーケンシング」の記事における「RSおよびRS II」の解説
最初に製品化された際のリード長は、平均で約1100塩基の正規分布を描いていた。2012年の初めにリリースされた新しいケミストリーキットでは、シーケンサーのリード長は長くなり、このケミストリーを試した初期の研究者は2500から2900塩基の平均リード長を報告している。2012年後半にリリースされたXLケミストリーキットでは、平均リード長は4300塩基以上にまで増えた。 2013年8月21日、PacBioは新しいDNA / Polymerase Binding Kit P4をリリースした。このP4酵素の平均リード長は、C2シーケンシングケミストリーと組み合わせた場合は4,300塩基以上、XLケミストリーと組み合わせた場合は5,000塩基以上になった 。酵素の精度はC2に類似しており、30倍から40倍の範囲でQV50に達する。そのため、このケミストリーでは、より少ないSMRTセルで、バリアントコールの制度を高めた高品質のアセンブリを行うことが可能になった 。また、BluePippinなどの電気泳動装置を使用して入力DNAサイズを事前に選択することで、7kbを超える平均リード長を得られた。 2013年10月3日、PacBioはPacBio RS IIの新しい試薬の組み合わせ、C3ケミストリーを備えたP5 DNAポリメラーゼ(P5-C3)をリリースした。同時に、シーケンスリードの長さは平均約8,500塩基まで延長され、最長のリードは30,000塩基を超えた。SMRTセルあたりのスループットは、CHM1セルラインのシーケンス結果では約5億塩基にまで達した。 2014年10月15日、PacBioは、RS IIシステム用の新しいケミストリーであるP6-C4のリリースを発表した。これは、同社の第6世代のポリメラーゼと第4世代のケミストリーを表し、平均リード長をさらに延長して10,000〜15,000塩基程度になり、最長のものは40,000塩基を超えた。新しいケミストリーのスループットは、シーケンスされるサンプルに応じて、SMRTセルあたり5億から10億塩基になると予想された。このケミストリーは、RS用にリリースされたものの最終バージョンとなった。 各テクノロジーにおけるスループットは、シーケンスされたDNA分子のリード長と、SMRTセルの総マルチプレックスの両方に影響される。SMRTセルのプロトタイプでは、並列DNAシーケンスを可能にする約3000 ZMWの穴が含まれていた。商業化時には、SMRTセルはそれぞれ2組の75,000で読み取られた150,000 ZMWの穴でパターン化された。2013年4月、同社は「PacBio RS II」と呼ばれる新しいバージョンのシーケンサーをリリースしました。これは、150,000 ZMWの穴をすべて同時に使用して、実験ごとのスループットを2倍にしている。2013年11月の最高スループットモードでは、P5バインディング、C3ケミストリー、BluePippinサイズ選択を使用し、PacBio RS IIにおいて、SMRTセルあたり平均3億5000万塩基を産出し、また多いときには5億塩基を含むヒトゲノムのリードを産出したことが公式から発表された。ただし、このスループットは、シーケンスされるサンプルのタイプによって異なる 。P6-C4ケミストリーの導入により、SMRTセルあたりの典型的なスループットは5億ベースから10億ベースに増加した。 RS/RS II パフォーマンスC1C2P4-XLP5-C3P6-C4平均リード長(bp) 1100 2500〜2900 4300-5000 8500 10,000〜15,000 SMRTセルあたりのスループット(bp) 3,000万〜4,000万 6,000万〜1億 2億5000万〜3億 3億〜5億 5億〜10億
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