MINIX 3
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MINIX 3は、2005年10月24日、タネンバウムよってACMシンポジウムにおいてアナウンスされた。このOSは、依然としてタネンバウムとWoodhullのテキストで用いられていたが、これは「限られたリソースのシステムや組み込みコンピュータ、また高い信頼性を要求するアプリケーションで使える」ことを目指して包括的に再設計された。 MINIX 3は、現在IA-32とARMアーキテクチャのシステムをサポートしている。OSはLive CDのフォーマットで提供され、これはコンピュータにインストールすることなしに試すことができる。また、様々なバージョンの仮想化システム(Bochs、QEMU、VMware、VirtualBox、Virtual PCを含む)にも対応している。 バージョン3.1.5は2009年11月5日にリリースされ、X11、emacs、vi、cc、gcc、perl、python、bash、zsh、ftp、ssh、telnet、pineなど400を超えるUNIXのユーティリティプログラムを利用することができる。X11の追加により、このバージョンはテキストのみのシステムからの移行を示す。多くの場合、実行中のプロセスに影響を与えることなく、クラッシュしたドライバを自動的に再起動することができる。このようにMINIXは自己修復機能を持ち、高い信頼性を必要とするアプリケーションでも使用することができる。MINIX3はまた、仮想メモリ管理をサポートしており、これはデスクトップOSとしての利用に適している。 バージョン3.2.0では、ユーザーランドの大部分がNetBSDのものに置換され、pkgsrcのサポートが追加された。これは、MINIXで利用できるソフトウェアの数を増加させた。また、Clangは以前のコンパイラを置き換え、GNUデバッガであるGDBが移植された。 続くMINIX 3.3.0は、2014年9月にリリースされ、ARMがサポートされた。 2016年1月にはMinix 3.4.0RC(リリース候補)が利用可能になったが、MINIX 3.4.0の安定版リリースはまだ発表されていない。 MINIXは、C、C++、FORTRAN、Modula-2、Pascal、Perl、PythonやTclなどを含むプログラミング言語をサポートしている。また、MINIX 3の開発コミュニティは2016年のMINIXCon 2016に50人以上が出席するなど、いまでも活動中の状態である。 2015年以降のすべてのIntelチップセットは、Intel Management Engine (英語版) のソフトウェアコンポーネントとして内部的にMinix 3を実行している。
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