M4 105mm榴弾砲 (戦車砲型)
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M2A1 105㎜榴弾砲をベースに開発された戦車砲であり、M4中戦車に搭載するため1942年の初め頃に計画された。当初はM2A1がM4中戦車のバリエーションの1つであったM4A4の砲塔にT70砲架を介して搭載され、1942年11月には本砲を搭載した試作車M4A4E1が完成している。しかし、搭載されたM2A1の鎖栓器は、M4中戦車の砲塔に対して過大であり、砲弾の装填に難があることが発覚した。加えてそれまで搭載されていた75㎜戦車砲M3よりも重量が増えているためバランスが悪く、地面の傾斜が30%を超えると仰俯角用の安定装置が機能しなくなった。これらの問題からM2A1の改良計画が改めて立てられ、改良後のM2A1はT8とよばれた。このT8の制式化時期ははっきりしていないが、1943年8月頃にT8を搭載したM4中戦車がM4E5としてアバディーン試験場で射撃試験を行っており、その後でフォートノックスにて機甲局による試験に供されている。少なくとも最初の試作車は同年2月に完成していたとされる。T8は105㎜榴弾砲M4として制式化された後、1944年の2月から1945年6月にかけて本砲を搭載したM4中戦車が計4,680両生産されている。M4榴弾砲を搭載したM4中戦車の量産型は、空冷星形ガソリンエンジンで後期仕様ラージハッチ車体のM4(105)、これをHVSSサスペンションに改修したM4(105)HVSS、V型8気筒ガソリンエンジンのM4A3(105)、これをHVSSサスペンションに改修したM4A3(105)HVSSが存在している。 使用弾はM1榴弾(弾丸重量15kg、全備重量19.1kg)/曳光成形炸薬榴弾M67(弾丸重量13.3kg、全備重量16.7kg)/白燐発煙弾M84(弾丸重量15.6kg、全備重量19.9kg)/発煙弾M84(弾丸重量14.9kg、全備重量19kg) 砲口初速はM1を使用した場合は472.4m/s程度であり、最大射程は11.2kmであった。また対戦車用であるM67の場合の砲口初速は381m/sとなり、距離にかかわらず約102㎜の垂直装甲板を貫通できた。 また、M4榴弾砲をM26パーシングに搭載したM45突撃戦車(試作時の名称はT26E2)が1945年7月に185両生産され、朝鮮戦争で使用された。 詳細は「M4中戦車」および「M26パーシング」を参照 T19 105mm自走榴弾砲 M7B1 105mm自走榴弾砲 M3 105mm榴弾砲 M4(105)HVSS
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