LAMPS用データリンク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/28 14:31 UTC 版)
「戦術データ・リンク」の記事における「LAMPS用データリンク」の解説
1960年代より、アメリカ海軍は、護衛駆逐艦や駆逐艦に広く搭載するための多用途艦載機として、LAMPS構想の開発を開始していた。初期のLAMPS(LAMPS Mk I)は、無人対潜ヘリコプター(DASH)の代替用として開発されたという経緯から、かなり小型のSH-2 シースプライト・ヘリコプターを採用していた。従って、ソノブイから得られた情報を機上で処理することはほとんど不可能であり、データリンクによって母艦に転送して処理・分析してもらう必要があった。 LAMPS Mk Iでは、AKT-22 FM送信機により、単信式のアナログ・データリンクが用いられており、DIFAR (指向性パッシブ・ソノブイ) またはDICASS (指向性指令探信ソノブイ) ならば各2チャンネル、LOFAR (低周波捕捉測距ソノブイ) ならば8チャンネルのデータを送信するとともに、音声による交信を行なうことができた。これらはSバンドを使用していたため、母艦からの進出距離は見通し線内に限られた。 その後、SH-60 シーホーク・ヘリコプターを中核として開発された、性能強化型のLAMPS Mk IIIでは、二重通信・デジタル式のSRQ-4リンク・システム (機上端末はAN/ARQ-44)が採用されており、ソノブイのほか、レーダーやESMのデータも送信可能になったが、同時送信は不可能である。また、Cバンドを使うデータ・リンクは以前と同様に見通し線内でしか使用できないが、HF帯を使うことで見通し線外での使用を可能にした音声通信装置も搭載している。 さらに、これを発展させたLAMPS Mk III Block II (MH-60R)では、陸海空で統一規格として採用されたTCDL(Tactical Common Data Link)と互換性のあるAN/ARQ-58 CDLホーク・リンク(Common Data Link Hawklink)が採用されている。使用周波数はKuバンドに変更され、機上端末はAN/ARQ-58を使用する。これによって、見通し線を越えて100海里までデータ・リンクが可能となり、通信速度も21.4Mbpsに向上する。
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