Jaspar
JasPar
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/22 04:06 UTC 版)
日本の自動車メーカーも、CAN通信がロバート・ボッシュ社による特許独占を受けていた状況を変えるものとして欧州でのFlexRay規格の登場を基本的には歓迎した。特に、XBWのようなブレーキやステアリングの操作を電気的に伝える用途にイベント・ドリブン型のCANを使おうとしてもリアルタイム性が欠けるために不適であり、タイム・トリガ型で冗長性にも配慮したFlexRayは魅力的だった。 日本側から見た欧州版FlexRay規格の問題点は、高コストになる点であった。FlexRayを策定し導入を進めていた欧州の自動車メーカーは主に高級車を作っておりコストはそれほど障害とならなかったが、日本側では一般大衆車を主眼にしていたので低コストは必須だった。また、欧州での新たな自動車技術の適応は、新車種などから順次切り替えてゆく手法が採られていたが、日本の自動車メーカーでは車内LANのような基盤技術は全車種統一して開発と生産が行なわれていたので、一部の高級車だけに導入するという手法が採りがたかったという事情もあった。 2004年9月にトヨタ自動車や日産自動車が中心となって日本の自動車産業各社が集まり、CANを代替する用途としてのFlexRayの新たな下位規格を作ることを最初の主な目的にして、"Japan Automotive Software Platform and Architecture" (JASPAR) が設立された。 JasParに参加した日本のメーカーでは高コストになる要因の1つであるスター型トポロジの接続形態をバス型トポロジにすることでコスト高となるワイヤーハーネス分岐点のカプラを省くことを検討した。欧州版FlexRayでもバス型トポロジをサポートはしていたが、バス配線で高速通信を実現すると不要電磁放射による環境条件が厳しい車内では数個のノードしか接続できなくなるので不都合だった。このため通信速度を10 Mbpsから5 Mbpsと2.5 Mbpsの2種を加えることでバス型によってカプラを省きながらノード数も6個や22個と十分確保する新たな規格を求めた。
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