ILLIAC_Iとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > ILLIAC_Iの意味・解説 

ILLIAC I

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/24 06:49 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
ILLIAC I のメモリドラム

ILLIAC I(イリアック・ワン、: Illinois Automatic Computer、イリノイ自動計算機)は、イリノイ大学1952年に開発された初期のコンピュータであり、教育研究機関が自前で開発して所有した最初のコンピュータでもある。

ILLIAC Iプリンストン高等研究所(IAS)の数学者ジョン・フォン・ノイマンが編集したノイマン・アーキテクチャーに基づいている。当時の他のコンピュータとは異なり、ILLIAC IORDVACコンピュータは完全互換性があり、同じソフトウェアが動作した。約 2800本の真空管で構成され、大きさは長さ3m、幅0.6m、高さ2.6m、重さは4.5tである。ILLIAC Iは当時としては非常に高性能で、1956年のベル研究所に存在した全コンピュータの能力を合わせても、1台の ILLIAC I に敵わなかった。

真空管の寿命は約1年で、概算すると1日数本の真空管がダメになる勘定である。そのため、予防的保守としてマシンを毎日シャットダウンし、怪しい真空管をその時に交換する、という運用がされていた[1]。マシンは ILLIAC II が使用可能になった 1962年に現役を退いた。

ILLIAC I での成果

  • 1955年、Lejaren HillerLeonard IsaacsonILLIAC I を使って「イリアック組曲」という曲を作曲している。これはコンピュータを使って音楽を作った初期の例である。
  • 1957年、イリノイ大学の数学者ドナルド・ギリースと物理学者ジェームズ・シュナイダーと天文学者ジョージ・マクビッティ、S.P.ワイアット、イワン・キング、ジョージ・スウェンソンは、ILLIAC I を使用して人工衛星スプートニク1号の軌道を打ち上げから二日以内に計算した。
  • 1960年、コンピュータ支援教育システム PLATO が構築された。

  1. ^ 熱衝撃などのことを考えれば、安定動作の面だけから考えれば、このようなコンピュータは稼働させっぱなしのほうが良い可能性があり、毎日のシャットダウンによるON-OFFサイクルはマシンに負担であった可能性もある(例えば、しばしば言及されるENIACの「真空管の故障」は、実のところON-OFFサイクルによって起きていたという)。

関連項目

外部リンク

いずれも英文。


「ILLIAC I」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ILLIAC_I」の関連用語

ILLIAC_Iのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ILLIAC_Iのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのILLIAC I (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS