IBM System/23とは? わかりやすく解説

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IBM System/23

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/16 18:06 UTC 版)

IBM システム/23 データマスター
製造元 IBM
発売日 1981年7月 (43年前) (1981-07)
1982年1月 (43年前) (1982-01)[1]
標準価格 $9,000(2023年時点の$30,163と同等)
約280万円[注 1]
販売終了日 1985年 (1985)
OS 内蔵BASIC
CPU Intel 8085[2]
メモリ 32KBから128KB RAM,
112KB/128KB ROM[3]
ストレージ 8インチ FDD[注 2]
ディスプレイ グリーンCRT (80×24テキスト)
入力機器 キーボード
重量 43kg
前世代ハード IBM 5120
次世代ハード IBM Personal Computer

System/23 Datamasterシステム/23 データマスター)は、IBM1981年に発表したオフィスコンピュータである。

概要

システム/23 データマスターは、IBM PCのわずか1か月前の、1981年7月に発表された。ハードウェアはIBM 5322コンピューター装置、5246ディスケット装置、5241印刷装置(毎秒80文字)または5242印刷装置(毎秒160文字)で構成される[4]

5322コンピューター装置は、テキストモードのCRTディスプレイや、キーボードプロセッサメモリ、最大2台の8インチフロッピーディスクドライブなどの全てを1つのキャビネットに収納した、オールインワンコンピュータであった。フロッピーディスクドライブの容量(片面、両面)と台数(0から2台)、メモリ容量(32KB、64KB、96KB、128KB)の組み合わせでいくつかのサブモデルが用意された[5]。プロセッサは8ビットIntel 8085(非公開情報)で、最大128KBのメモリを管理するバンク切り換えロジックを備えていた[2]BASICインタープリタが組み込まれていた。外付けの5246ディスケット装置を2台のコンピューターで共用することもできた。

データマスターの目的は、専門家なしで設置や操作ができるコンピュータの供給だった[6]。発表時にはシングルスクリーンのデータマスターは約 9,000 ドルで販売された。データマスター・プロジェクトで得られた設計グループの親密性は、IBM PCへのインテル製CPUの採用に影響した。

日本での販売

日本ではデータマスターは1982年1月に日本IBMより発表され、3月に特約店から販売が開始された[4]。また、同年8月10日にディスプレイとキーボードを分離したデスクサイド型のIBM 5324が発表された[7]

簡易言語として、IBM 5110から開発が続けられてきたBRADS (Business Report / Application Development System) の最新版であるBRADS IIIが用意され、BASIC言語より簡単に事務処理プログラムを作成できるとした。旧機種からシステム/23BASICへの移行手段として「5110/5120BASIC―システム/23変換援助プログラム」が用意された。また、マニュアルの製作にあたっては、コンピュータの知識がない女性に機械を設置するところから使ってもらい、理解できない点があればマニュアルやマイクロコードを修正した。この作業を約半年かけて16種類のマニュアルを完成させた[4]

一方で、システムが漢字に対応していないことから、日本ではワードプロセッサとしての機能は省略された。このことから、ライバルメーカーやディーラー、マスコミからの関心は薄かった[4]

脚注

注釈

  1. ^ 64KB RAM、2.2MBのフロッピーディスクドライブ、印字速度が毎秒160字のプリンタからなるシステム構成価格。
  2. ^ サブモデルにより最大2台まで内蔵。外付けで2台まで接続可能。

出典

  1. ^ 「日本IBM、小型機反撃、代理店方式で卓上小型ビジコンS23データマスター発売へ。」『日経産業新聞』 1982年1月5日、4面。
  2. ^ a b 大原, 雄介 (2020年12月16日). “「IBM PC」がやってきた エストリッジ、シュタゲ、そして互換機の台頭”. ITmedia NEWS. 2024年12月22日閲覧。
  3. ^ Bits Passats - System/23 Datamaster” (英語). bitspassats.com (2024年6月19日). 2024年6月19日閲覧。
  4. ^ a b c d 編集部「特別レポート 「IBMシステム/23」にみる日本IBMの新販売戦略」『コンピュートピア』第16巻第5号、コンピュータ・エージ社、1982年、104-111頁、ISSN 0010-4906 
  5. ^ 「使いやすく、導入の容易なIBMシステム/23」『Access』第8巻第2号、日本アイ・ビー・エム、1982年、29頁。 
  6. ^ David J. Bradley (1990). “The Creation of the IBM PC”. Byte 15 (9): 414. ISSN 0360-5280. 
  7. ^ 「人間工学を考慮したデザイン―IBMシステム/23に新モデル」『Access』第8巻第6号、日本アイ・ビー・エム、1982年、37頁。 

関連項目

外部リンク

先代
IBM 5120
IBM システム/23 次代
IBM PC

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