マルタン
1890年ジュネーブに生まれる。作曲家。8歳の頃から作曲を始める。音楽の機関では教育を受けておらず、和声と作曲、ピアノをヨーゼフ・ラウバーに師事。1926年ジャック‐ダルクローズ研究所にて音楽理論と作曲を教え、ジュネーヴ音楽院で室内楽の指導をした。1950年からはケルン音楽大学にて作曲の講座を開講した。彼は10歳の時に聴いたバッハの《マタイ受難曲》に大変感銘を受けている。その影響のせいからか彼は和声を最も重要なものとして考えていた。初期の作品では、一元的でアルカイックを意識した様式に移行し、旋律旋法と完全三和音のみを用いて古典派やロマン派の和声とは異なった作風となっている。また、フランクやラヴェルの影響を少なからずうけている。後、古代、インド、ブルガリアのリズムや民族音楽を取り入れた作品を遺した。そして後期にはシェーンベルクの十二音技法を応用するが、彼は拡張された調整における和声にこだわり、無調を嫌った。
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