Flower of Scotlandとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > Flower of Scotlandの意味・解説 

スコットランドの花

(Flower of Scotland から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/04 16:13 UTC 版)

Flower of Scotland
フラワー・オブ・スコットランド
和訳例:スコットランドの花
歌のモチーフとなったバノックバーンの戦いアザミの花の棘でイングランドエドワード2世を退けたという故事がある。

愛国歌の対象
イギリス
スコットランド

作詞 ロイ・ウィリアムソン(1960年ごろ)
作曲 ロイ・ウィリアムソン(1960年ごろ)
テンプレートを表示

スコットランドの花』(スコットランドのはな、原題: Flower of Scotland)は、スコットランドの非公式な国歌として、今日、広く認められている歌である。スコットランド代表が出場するラグビーサッカーの国際試合でしばしば歌われ、日本語ではフラワー・オブ・スコットランドとも呼ばれる。

背景

スコットランドのフォークグループ、ザ・コリーズ英語版ロイ・ウィリアムソン英語版によって『スコットランドの花』は作られた。グループのメンバーだったロニー・ブラウン(Ronnie Browne)の回想によれば、ウィリアムソンは1960年代中頃にこれを制作、1967年BBCの番組内で演奏、発表した[1]

その歌詞(詳しくは英語版 Flower of Scotland を参照)は、1314年バノックバーンの戦いを題材にしている。この戦いでロバート1世率いるスコットランド軍は劣勢にもかかわらずエドワード2世率いるイングランド軍に勝利し、イングランドからの独立を勝ち取った(参照 スコットランド独立戦争)。

タイトルともなっている「スコットランドの花」とは、スコットランドの国花であるアザミを指している。夜の闇にまぎれてスコットランドを攻撃しようと裸足で身を潜めていたヴァイキングたちが、アザミのとげを踏み、その痛さに思わず声をあげたことによって、スコットランドの人々が侵略の危険を察知した、という言い伝えがある。

受容

紋章の意匠としての「スコットランドのアザミの花」

コモンウェルスの連邦歌としては『女王陛下万歳』が定められているが、この曲は同時にイングランドの国歌としても広く認められている。しかし、スコットランド人にとって『女王陛下万歳』をスコットランドの国歌として歌うことは、彼らの民族感情と真っ向から対立する行為であった(『女王陛下万歳』の第6節は、イングランドによるスコットランド侵略(ジャコバイト・カトリック教徒の反乱鎮圧を名目にしたスコットランド侵略)について歌われている)。このような事情から『スコットランドの花』がスコットランドの国歌として受け入れられる素地が十分にあったといえる。

1974年、ザ・コリーズは『スコットランドの花』をシングルカットした。同年、ラグビーの全英合同チームであるライオンズ(Lions)の南アフリカ遠征に参加したあるスコットランド人選手が、チームメイトとこの曲を歌い、その映像がイギリスのテレビで放送された。この南アフリカ遠征でライオンズは圧勝し、その記憶とともにこの『スコットランドの花』もラグビーファンの間に広まった。今日でもスコットランド代表のチーム賛歌として歌われている。サッカーの試合でも1993年より『スコットランドの花』が歌われるようになり、1997年には公式の賛歌と定められた。

『スコットランドの花』の歌詞に含まれる、「エドワード王の軍に抗しこれを本国に追い返す」、というくだりが反イングランド的であるという批判もしばしばなされている。そのような批判も含めて、スコットランドの国歌については政治の場でも議論されているが、いまだ結論は出ていない[2]。もっとも、スコットランドの国歌に準じるものとしてほかにもいくつか楽曲がある中で、2006年にロイヤル・スコティッシュ管弦楽団が行なった最新のインターネット調査によれば、『勇敢なるスコットランド』や 'Highland Cathedral'、'A Man's A Man for A' That'、'Scots Wha Hae'をおさえ、『スコットランドの花』は最も多くの支持(41%)を集めている[3]

2012年ロンドンオリンピックの開会式でもスコットランドの歌としてエジンバラ城での少年合唱団による歌唱の映像が流された。

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ Ronnie Browne (2007年). “2007 is the 40th anniversary of the writing of Flower of Scotland” (英語). 2010年8月29日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2007年2月27日閲覧。
  2. ^ Scotsman.com (2002-2007). “Scotland's national anthem” (英語). 2007年2月27日閲覧。
  3. ^ The Royal Scottish National Orchestra (2006年7月1日). “The RSNO National Anthem Poll Winner” (英語). 2009年2月15日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2007年2月13日閲覧。

参考

関連項目


「Flower of Scotland」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

Flower of Scotlandのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Flower of Scotlandのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのスコットランドの花 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS