DV圧縮の特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/08 06:17 UTC 版)
「DV (ビデオ規格)」の記事における「DV圧縮の特徴」の解説
テープに記録される際に利用される「DV圧縮」には以下のような特徴がある。 525/60システムの場合は4:1:1に、625/50システムの場合は4:2:0にサンプリングした色差コンポーネント映像を記録する。 映像圧縮はフレーム内でのみ行われる (イントラフレーム圧縮)。MPEGの様に時間軸方向への圧縮を行わないため、圧縮率は1/5程度であるが、映像編集が容易に行えるという利点がある。 映像信号のビットレートは約25Mbpsである。1フレーム当りのデータサイズは、テープ上のエラー訂正コードなどを除くと、525/60システムで13021バイト、625/50システムで15625バイトである(それぞれ固定長)。 記録映像には、ITU-R BT.601に準拠したコンポーネント映像信号が採用されている。 輝度信号に対して、色信号の帯域を4分の1としているため、色相が異なる輪郭部分において色滲みが発生することがある(人間の目の受像能力としては、色信号は輝度信号の3分の1程度が必要である)。アナログ方式に較べればほとんど問題にならないレベルだが(S-VHS/EDベータでは6分の1前後である)、画質を重視する放送用素材としては問題にされる場合がある。そのため、放送用としてDVCPRO50が開発された。 離散コサイン変換ベースの圧縮方式であるため、入力映像によっては、まれにブロック歪みやモスキートノイズが発生することがある。 1フレーム分のデータに映像・音声が別々に記録されている。これは、テープ上の記録面において、耐障害性やトリックプレイを考慮した記録方法が採用されているためである。 音声は非圧縮のリニアPCM方式で記録される。サンプリング周波数は48/44.1/32kHzの3種類がある(国内向け製品は32、48kHz)。量子化ビット数は16または12で、ステレオ。32kHzモード時には量子化ビット数を12(ノンリニア)にすることで、4チャンネル記録も可能となっている。MPEG圧縮モードで音声を記録するAVCHD製品と比較すると、音質面ではDVにも優位性がある。
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