カイガラムシ
古くから農作物や果 樹の重要な害虫で、一般家庭の庭に植えられた園芸植栽、室内の観葉植物にも付いて植物を枯らしてしまう。また植物を枯らさないまでも、その取り付いた様が非常に見苦しく、景観上の害も与える。
日本には少なくとも700~800種は生息すると見られているが、分類研究があまり進んでいないため正確な生息種がはっきりしない。体全体をロウ物質で覆い、一見虫ではなく白い貝殻状のものに見える。実際はカメムシの仲間である。
植物に取り付き、針状の口で植物の汁液を吸って餌とする。白いロウを被って植物に取り付くのは、実は雌と成熟幼虫である。雄成虫は雌とは似てもにつかない、翅の生えたアブラムシのような体型で、普段は滅多に見ることができない。また雄が存在せず、雌のみで繁殖を繰り返す単為生殖の種類もある。
基本的には植物上で孵化した幼虫は、移動しながら取り付く植物を探す。取り付く場所を決めるとロウ状物質を出して植物に固着、成長した幼虫から翅の生えた雄成虫が現れて羽化し、その雄成虫のみが植物を離れる。 成長した雌成虫は生涯、同じ植物上で動かずに過ごす。年間に1~3世代を経過する種類が多いが、熱帯性の種では5~6世代に及ぶものがある。
越冬は卵、幼虫、成虫等、種により様々な形態で行う。
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