炭素-酸素結合とは? わかりやすく解説

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炭素-酸素結合

(C-O結合 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/10 15:47 UTC 版)

炭素-酸素結合(たんそ-さんそけつごう、: carbon-oxygen bond)は炭素酸素の間の共有結合で、有機化学生化学で頻繁に見られる結合の1つである[1]。酸素は6つの価電子を持ち、2つの電子を炭素と共有し、4つの非結合電子から2つの非共有電子対をつくる。の有機誘導体であるアルコールは最も単純な例である。

炭素と酸素の電気陰性度はそれぞれ 2.55 と 3.44 であるので、C-O結合は酸素のほうへ強く分極している。パラフィン系C-O結合の結合距離はおよそ 143 pm であり、これはC-N結合やC-C結合より短い。カルボン酸 のC-O結合は二重結合性を帯びているので 136 pm と短く、エポキシドでは 147 pm と逆に長くなっている[2]。C-O結合の結合エネルギーも、C-N結合やC-C結合より大きい。たとえば、メタノールでは 91 kcal/mol (298 K) 、メチルアミンでは 87 kcal/mol 、エタンでは 88 kcal/mol である。

炭素と酸素は二重結合をつくり、ケトンエステルカルボン酸などのカルボニル化合物で見られる。フランでは、酸素原子はπ電子の非局在化に貢献しているので、フランは芳香族性を持つ。C=O結合の結合距離はカルボニル化合物で 123 pm である。アシルハライドのC=O結合は部分的に三重結合性を帯びているのでとても短く、117 pm である。ちゃんとしたC-O三重結合をもった化合物は存在しない。これは非常に高い結合エネルギーを持ち、N-N三重結合よりも高い[3]トリエチルオキソニウムテトラフルオロボラート英語版では三価の酸素がみられる。

有機酸素化合物の化学的分類

分類 結合次数 分子式 構造式
アルコール 1
エタノール
エーテル 1
ジエチルエーテル
ペルオキシド 1
ジ-tert-ブチルペルオキシド
エステル 1
アクリル酸エチル
炭酸エステル 1
炭酸エチレン
ケトン 2
アセトン
アルデヒド 2
アクロレイン
フラン 1.5
フルフラール
ピリリウム 1.5
アントシアニン

脚注

  1. ^ McMurry, John. Organic Chemistry 2nd Ed. 
  2. ^ CRC Handbook of Chemistry and Physics 65Th Ed 
  3. ^ Standard Bond Energies”. Department of Chemistry, Michigan State University. 2011年3月25日閲覧。



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