自動列車制御装置
英語:Automatic Train Control、ATC
鉄道において、列車車両が自動的に超過速度の減速を行うシステムのこと。規定の速度を超えている場合に、運転士がいなくても自動的に規定速度範囲まで減速を行い、先行車両への追突を防ぐとともに、乗り心地を損なわない安定したブレーキ制御を実現する装置である。合理的なブレーキングを行うことで速度の損失を最小限にし、列車の運行を滑らかにする効果もある。
速度が基準の範囲内であるかどうかはレール上に流された信号電流によって判断されている。
ATCと似たシステムでATS(Automatic Train Stop)と呼ばれるシステムもある。これは「自動列車停止装置」と呼ばれ、列車が赤信号を無視して進行しようとした場合などに運転手を介さず自動的に列車を停止させるものである。ATCは制御(減速)を目的とするのに対して、ATSは停止することを目的とする。
ATC(えーてぃーし)(Automatic Train Control)
列車の速度とブレーキの制御を自動化した装置のこと。日本の鉄道では、新幹線をはじめ、山手線や地下鉄などの路線で導入されている。自動列車制御装置ともいう。
前方を走行中の列車との車間距離から、衝突を避けるための制限速度を自動的に計算し、運転手に知らせてくれるというもの。運転手は、その制限速度の範囲内で運転するわけだが、万が一、制限速度を超えた場合は、自動的にブレーキをかけて減速してくれる。
JR東日本は、新型のデジタルATCを開発し、通勤ラッシュ時に混み合う京浜東北線に2003年度から導入する予定だ。これまで1時間あたりの運行本数が24本までだった性能が最高で28本にまで向上するという。首都圏における混雑の緩和が主なねらいだ。
また、列車のブレーキ性能に応じた効率化だけでなく、乗客の乗り心地のよさを追求したATC技術も開発されている。ブレーキの強さを最適化し、車両の能力に応じて自動的に制御するわけだ。早速、2002年末に開業を予定している東北新幹線の盛岡-八戸間で導入されるという。
ATCと同様の安全装置に、ATS(自動列車停止装置)がある。このATSは、運転士に対して赤信号への注意を喚起し、赤信号を無視して進もうとすると自動的にブレーキをかける。地方の一部路線を除いてすべての鉄道で導入されている。
▲山手線にデジタルATCを導入(JR東日本)
▲新幹線用の新しいATCを開発(JR東日本)
(2002.07.01更新)
「Automatic Train Control」の例文・使い方・用例・文例
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