AN/AAQ-24 ネメシス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/16 01:20 UTC 版)
「指向性赤外線妨害装置」の記事における「AN/AAQ-24 ネメシス」の解説
AN/AAQ-24 Nemesisも同様に指向性赤外線妨害(DIRCM)システムである。1999年、アメリカ特殊作戦軍によるプログラムの最優先課題内の一つとしてノースロップグラマンと契約したことで開発が始まり、アメリカ空軍特殊作戦コマンドで運用されているAC-130ガンシップやMC-130 コンバット・タロンに装備されている。 このシステムはミサイル警報装置 (AN/AAR-54)、統合ユニット、プロセッサ、小型レーザー送信アセンブリ(Small Laser Transmitter Assembly, SLTA)(照射部)で構成される。初期の照射部はアークランプを使用して妨害信号を生成していたが、ノースロップ・グラマンが生産している新しいバージョンでは、ダイオードポンプ・ソリッドステート・レーザー(英語版)を採用したレーザーSLTAに変更されている。完全自立式のミサイル35種によってテストが行われ、成功したことで製品化されており、アメリカ・イギリス両軍での攻撃ヘリコプターや輸送ヘリコプター、オランダ軍の一部戦闘ヘリコプターに採用されている他、アメリカ海兵隊で運用されている大統領専用ヘリコプターマリーンワンであるVH-60N、VH-92にも採用されている。 大型航空機赤外線対抗システム(Large Aircraft Infrared Counter-Measure system, LAIRCM)はAN/AAQ-24 ネメシスを使用した大型航空機向けのシステムである。アメリカ空軍との36億ドルの契約が締結されており、2025年まで順次装備されて行く予定である。LAIRCM-Liteもあり、これはLAIRCMシステムの可用性が限られているため、レーザージャマーとフレアの組み合わせによるC-17向けのシステムとなっている。 AN/AAQ-24は国防安全保障協力局による議会への必要書類の提出が行われ、国務省の対外有償軍事援助の承認を受けたことで、カナダ軍のCH-47用、アラブ首長国連邦のC-17用、カタール政府専用機747-800用、オマーン政府専用機のB747-400およびB747-800用、オーストラリア国防軍のC-130J用、ニュージーランド軍のP-8用、インド政府専用機ボーイング777用、ノルウェー軍のP-8用、日本航空自衛隊のKC-46A用、NATO保守整備補給機関のC-130用、など各国に対し供与が行われている。
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