AKAI professional と A&D
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/13 10:15 UTC 版)
「AKAI professional」の記事における「AKAI professional と A&D」の解説
1984年新ブランドAKAI professionalで電子楽器市場に参入、ヒルウッド創業者 森岡一夫の設計による アナログ・シンセサイザーやマルチ・トラック・レコーダを発売した。1985年、EMS社やElectro-Harmonix社での活躍が知られるデヴィッド・コッカレルが赤井電機と提携関係を結び、12bitサンプラー S612を手始めに AKAI Sシリーズ全般の設計を開始した。また1986年には、Linn Electronics社倒産後のロジャー・リンを顧問として迎えてMPC60を開発しており、AKAI MPCシリーズは同ブランドの代表的製品となった。同年にはこの他、ウィンド・シンセサイザーの製造ライセンスをEVI、EWIの開発者ニール・スタイナーから譲り受け、AKAI EWIシリーズの製造を開始している。 AKAI professionalは、Ensoniq社とともにサンプラー製品の低価格化で大きな成功を収め、同ブランドは電子楽器市場でプロ・ミュージシャンからアマチュアにまで幅広く浸透した。特に1988年発売のS1000は、多数のサンプル・ライブラリが サードパーティから供給され、そのデータ・フォーマットは事実上の標準として他のサンプラー製品も対応するようになった。ちょうど時期を同じくして、巷ではヒップホップやハウスなどのダンスミュージックシーンにおいて、既存の楽曲から一部を抜き出し新たに別の音楽を創作するという、いわゆるフレーズサンプリングやブレイクビーツという手法が隆盛を極める。手頃な価格と十分な性能を併せ持つS1000の登場は、当時のニーズに合致し、音楽クリエイター達に広く愛用される機材となった。 1987年、もう一方の本業であるオーディオ分野では、親会社になった三菱電機と提携し、A&Dブランドを設立。ちなみに「A&D」のAは赤井電機、Dは三菱電機のオーディオ・ブランド「ダイヤトーン」から来ている (Analog&Digitalとも言われる) 。A&Dブランドでは、赤井電機の得意分野であったアナログカセットデッキを中心に、家庭用オーディオ製品を製造販売。新規に開発参入したインテグレーテッドアンプやCDプレーヤー、DATデッキなどは一般には浸透せず、思いのほか売り上げが伸びなかったため、1992年頃にオーディオ分野から撤退した。 1999年末、経営不振が続く赤井電機株式会社から、黒字経営であった電子楽器部門が独立、AKAI professional M.I.株式会社になる。
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