AIMの決起
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/12/20 13:18 UTC 版)
「レイモンド・イエローサンダー」の記事における「AIMの決起」の解説
レイモンドの一族は、新進のインディアン権利団体「アメリカインディアン運動」(AIM)に助けを求めた。ラッセル・ミーンズ、デニス・バンクスにそれぞれパインリッジ保留地から救援の電話が届けられた。ちょうどAIMは、ネブラスカ州オマハで会議を開いていた。AIMは全会一致で救援を決定し、バスと乗用車によるキャラバン隊を編成し、パインリッジへと向かった。 パインリッジに到着したAIMは、オグララ族や、近隣のインディアン部族、AIM支持者1600人を集め、大集会を開いた。デニス・バンクスはこう演説した。 もしAIMが我が同胞を守れないのなら、荷物をまとめてとっとと消えた方がいい。サウスダコタと北西ネブラスカの白人のレッドネックどもは、ほんの気まぐれでインディアンを殺してもまったく構わないと思っている。しかし「今」、奴らはインディアンに発砲すれば、必ず自分の頭に弾が返ってくることを知るだろう。AIMは我が同胞のために正義を確かなものにするために、あらゆる処置をとる。我々はこの案件のために死ぬ用意ができている。 1972年3月5日、出発の前日に、AIMはパインリッジのポーキュパインで決起集会を開き、172人のインディアンがさらに加わった。ラッセル・ミーンズは、「ゴードンに抗議団が入った場合、白人によって大量虐殺を受ける恐れがある」とし、死を覚悟したインディアンたちに、AIMの霊的後援者である呪い師のレオナルド・クロウドッグに儀式を行ってもらい、その結果で方針を決めることを提案し、全会一致でこれが了承された。 レオナルドは徹夜で「ユイピの儀式」を行った。レオナルドはこう語っている。「精霊たちは、銃よりも霊的な力のほうが強いのだからと、非武装で行進を行うよう語りかけてきた。またホリネズミの砂を使うようにとも言われた。ホリネズミの砂は、クレイジーホースも使った銃弾から身体を守るメディスンだ」 レオナルドはデニス、ラッセル、クライド・ベルコート、ヴァーノン・ベルコートの四人にホリネズミの砂をふりかけ、シダーで清め、鷲の羽で煽いで「聖なるパイプ」の儀式を行った。 1972年3月6日、AIMは司法省とネブラスカ州知事、BIA、ゴードン市長に電話をし、抗議行進の決行を伝えた。この後、グレイハウンドの大型バス2台、150台の自動車による、1000人近い一大インディアン・キャラバン隊がポーキュパインを出発し、ゴードンへ向かった。このとき、オグララ族の少年が作った歌は、のちに「AIMの歌」となった。
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