AI搭載ロボット兵士
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 02:56 UTC 版)
「軍事用ロボット」の記事における「AI搭載ロボット兵士」の解説
2000年ころまではロボット兵士は夢物語だと考えられていた。だが2010年代後半以降(2015年以降)に急速に状況が変わってきており、実戦配備は目前に迫っている。 アメリカ、ボストン・ダイナミクスがすでに実現 1990年代や2000年代(2010年以前は)歩兵にボディアーマーやパワードスーツを着用させるアイディアが現実的だと考えられてきた。2010年以前はAIの実現が困難だと考えられていたのである。だが、その後にAIのなかでもディープラーニングやマシンラーニングの技術が急速に進展し、自律的に動作するロボットの能力が急速に伸び、2010年代後半ころからAI搭載の自律型ロボットが実現可能になってきた。 2021年の現在すでに、アメリカのボストン・ダイナミクス社がすでにAI搭載の二足歩行ロボットで、敵・味方を瞬時に識別して射撃するロボットを開発済みである。AIロボットが敵・味方を判別する速度のほうが、人間よりも速く、動きも人間よりもすばやい。ボストン・ダイナミックスのロボット兵士のデモ動画はYoutubeなどにすでにアップロードされている。 なおボストンダイナミックス社のこの兵士ロボットは、Atlas(アトラス。en:Atlas (robot))という人間型の、機敏な動作ができるロボットの技術も利用している。Atlas(アトラス)は、歩いたり走ったりするだけでなくバック宙返りなどもできるくらいに運動能力が高い。パルクールもできる。転んでも、もちろん起き上がる。ボストンダイナミックス社が開発したロボットは、2021年時点ですでに、平凡な人間よりもずっと運動能力が高いのである。 2000年ころまでは「地上戦では人間の兵士が兵器や銃器を操作するのが当たり前」などと考えられていた。その状況が変化する時期も、もう目前に迫っており、2020年代のうちに、一部で実戦配備が始まると考えられている。 なおロシアの技術開発はベールに包まれがちだが、少なくとも2017年時点で宇宙空間なら2丁の拳銃で精確に射撃を行う「FEDOR」と呼ばれる人型ロボットを開発していた。ロシア(プーチン大統領が後押しする兵器開発会社)もAI兵器の開発に力を注いでおり、すでに戦車型で瞬時に敵を判別して攻撃するロボット戦車は開発しているので、兵士型についてもロシアがどこまで開発するか、アメリカ側は警戒している。結局AI兵器を先に開発し先に実戦配備したほうが、戦略的に見て圧倒的に有利な状況になることは目に見えているので、アメリカ側もロボット兵士の完成度を早く高めるように力を注いでいる。
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