1980年代後期 -インディーズ・メタルブーム-
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「ジャパニーズ・メタル」の記事における「1980年代後期 -インディーズ・メタルブーム-」の解説
他方で、この1980年代後半の日本のロックシーンには、バンドブームとイカ天ブームが起こり、そのブームは1990年代初頭まで継続した。バンド・ブームではその後に元AROUGEの橘高文彦が加入することとなる筋肉少女帯や、LAメタル系のハード・ロックンロール・バンドZIGGYらがその恩恵を受け、イカ天からは1970年代初期系和風ハードロックの人間椅子やグラム・ハード・ロックのマルコシアス・バンプらが登場している。 ヘヴィメタルバンドも多分に漏れず、例えば、関東ではプロージョン系や鹿鳴館系などと主に女性ファンから呼ばれ、どのライヴハウスも女性客で溢れ返った。 この当時、インディーズシーンの牽引役となった主なヘヴィメタルバンドとしては、REACTION、MEPHISTOPHELES、DEAD END、D'ERLANGER、X、CASBAH、HELLEN、DEMENTIA、JURASSIC JADE、JEWEL、MURBAS、UNITED、URGH POLICE、TILT、SNIPER、OUTRAGE、PRESENCE、SYXE、MEIN KAMPF、SAVER TIGER(横須賀)等が「ロッキンf」誌で挙げられている。 この時期のジャパメタの新鋭は、モトリー・クルーなどのLAメタルからの影響を受けたバンド(REACTION、D'ERLANGER、DEAD ENDなど)がいる一方で、メタリカやスレイヤー等のスラッシュ・メタルからの影響を大きく受けたタイプ(OUTRAGE、UNITEDなど)もいるが、前者はその後のヴィジュアル系へと受け継がれていった。その双方の要素を併せ持つXなどのバンドもいたが、DEAD ENDやD'ERLANGERの様にヘヴィメタルからやや離れた音楽性に変化したバンドも存在していた。 これらのバンドで後にメジャーシーンでのデビューまで辿り着けたのはREACTION、DEAD END、X、OUTRAGE、UNITED、TILT、PRESENCE、D'ERLANGERくらいで、特に大きな成功を収めたのはXであるが、デビュー前のXの評価はDEMENTIA、横須賀SAVER TIGERらと共に「関東三大粗大ゴミバンド」などと酷評されていたが、当時、DEMENTIAに在籍していた小杉茂によると、この呼び名の名付け親はUNITEDのメンバーではないかと推測している。その他のメジャーデビューに至らずに終わったバンドでも、MURBASには廣瀬洋一、URGE POLICEには吉井和哉といった後に大成功を収める「THE YELLOW MONKEY」のメンバーが在籍していたり、DEMENTIAにはX - LOUDNESS - DTRの沢田泰司や現UNITEDの吉田“HALLY”良文(g)、後にハウリング・ブル・エンターテイメントを立ち上げる小杉茂(Vo、当時のステージネームはGEESS)、現TOKYO YANKEESのU・D・A(Ds)が在籍、JEWELには後にmedia youthやhideのバンドに参加したKIYOSHIが在籍、MEIN KAMPFには後にCRAZEに加入する藤崎賢一やAIONのIZUMIが在籍、HELLENには後に六三四Musashiに加入し、アニメの劇伴などでも活躍する高梨康治、PRESENCEやJACKS'N'JOKERのベーシスト、恩田快人は後にJUDY AND MARYを結成し成功を収めているなど、後年様々な音楽シーンで活躍する人物が在籍していた。 また、MEPHISTOPHELESは1987年に解散しているが、2001年に再結成した際にVAPよりアルバム「METAL ON METAL」でメジャーデビューしており、メンバーの一人だった沢井比河流は実父である沢井忠夫の後を継いで沢井箏曲院の筝曲家としても活動を続けている。
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