1960年代 OSの確立
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/05 04:59 UTC 版)
「オペレーティングシステム」の記事における「1960年代 OSの確立」の解説
1960年代前半には、OS機能の増強が進められた。スプール、ジョブ管理、記憶保護、マルチプログラミング、タイムシェアリングシステム、そして、仮想記憶の概念が登場し始めた。これらの概念を複数搭載するOSも登場していた。また、マルチプロセッシングシステムに対応するOSもあった。 1960年代後半には、OSは著しい進化を遂げた。現在のOSの概念や基本部分(カーネル)の技術の大半は、この時期に完成された。 1962年、ゼネラル・エレクトリックがGECOS(後のGCOS)の開発を開始した。 1964年発表のIBM System/360シリーズに搭載されたOS/360およびDOS/360は世界初の商用OSとされ、単一のOSシリーズで幅広いモデル(性能、容量、価格帯)と周辺機器を稼働させ、更にハードディスクドライブをサポートし、本格的な(プリエンプティブな)マルチタスクを実現した。「オペレーティングシステム」という用語が一般化したのもOS/360からである。従来は機種ごとに専用の制御ソフトが付属し「機種が変わればプログラムは書き直し、周辺機器は買い直し」が常識だったが、OSがアプリケーションに一貫した上位互換のAPIを提供する事で、OS/360用に書かれたプログラムは、40年以上経過した現在のz/OS上でもバイナリ互換で動作する。このOS/360はNASAが使っていた この頃のもう1つの重要な進歩としてタイムシェアリングシステムの本格的な実用化がある。コンピュータの資源を複数のユーザーが並行的に使えるようにすることで、システムを有効利用するものである。タイムシェアリングは、各ユーザーに高価なマシンを独占しているかのような幻想を抱かせた。1965年のMulticsのタイムシェアリングシステムは特に有名である。更に1967年にはSystem/360用に、商用初の仮想化OS(仮想機械)であるCP-40とCP-67が登場し、1台のコンピュータで同時に複数のOSを稼働できるようになったが、これもタイムシェアリングの応用である。 また仮想記憶は1961年のバロース B5000が商用初とされ、1970年のIBM System/370シリーズ用のOS/VSで広く普及した。コンピュータの利用形態としてオンライントランザクション処理やデータベース処理が普及したのもこの頃である。
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