113番元素の発見
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/04 06:18 UTC 版)
「ニホニウム」も参照 加速器を用いて光速の10%まで加速させた質量数70の亜鉛 70Zn を質量数209のビスマス 209Bi に衝突させる事で、当時は未発見だった113番元素を合成すると言う実験を行い、2004年7月23日に理化学研究所研究員の森本幸司とともにその実験結果の初期解析を行なった結果、生成物が113番元素そのものである事が判明した。この結果は同年7月30日付の論文として執筆され、同年9月28日に発表された。 2005年4月2日には2個目の113番元素の合成に成功したものの、まだ観測数が少ない事や、前回と合わせて2回とも2種類ある113番元素の崩壊経路のうちの1種類しか観測されていない事に加え、崩壊経路のうち質量数266のボーリウム 266Bh は発見報告が一例しかなく、元素の発見の確定要素となる既知の原子核に到達したとは言えない事から、命名権に繋がる発見の優先権の獲得には至らなかった。その後、この棄却理由に反論する為に、森田らは2008年から2009年にかけて、自分たちの手で266Bhの合成に乗り出し、その合成に成功した。 そして、2012年8月12日に東京理科大学大学院生の住田貴之とともに実験結果の初期解析を行なった結果、同年8月18日に3個目の113番元素の合成を新たな崩壊経路で確認する事が出来た。この結果は同年8月29日付の論文として執筆され、同年9月27日に発表された。 2015年12月31日には113番元素の命名権をIUPACより正式に認められ、2016年3月18日に名称原案をIUPACに提出し、同年6月8日に名称案が「ニホニウム」(nihonium 、予定元素記号:Nh)であることが発表された。同年11月30日に、IUPACよりニホニウムが同元素の正式名称として認定され、論文は現在、IUPACの審査報告を待っている状況である。
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