黒い袋の男
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 17:31 UTC 版)
「神戸連続児童殺傷事件」の記事における「黒い袋の男」の解説
マスコミは逮捕直前まで、「黒い袋の男」を追いかけていた。5月28日付の産経新聞夕刊で、30歳くらいの不審者が頭部が発見された中学校正門前で目撃されたという情報が報じられた。目撃された男は30歳代くらいで身長170-180センチで白っぽい上着を着用。普段歩かない車道を歩いていたため不審に思ったという。 5月31日付の読売新聞朝刊では、中学通用口にゴミ袋を持ってかがみ込んでいる不審な30歳代の男について報道。 6月3日付の朝日新聞夕刊で「中学校校門近くに黒い袋持つ男」の目撃証言を掲載。男は40歳前後、身長170センチぐらい。続けて6月9日付の朝刊に「黒い袋の男、3度目撃」と報じた。目撃された日はゴミ収集日ではないこと、男の行動は極めて不自然として捜査本部も強い関心を寄せているとし、犯人である可能性が高いことを匂わせたという。 6月24日付の朝日新聞で、「『黒い袋の男』最重要視」と報道。 犯人像として浮かび上がったのは「30-40歳、身長170センチ前後」と各社ともだいたい同じだったが、最も具体的なのは読売新聞だった。6月13日付朝刊で、「目撃証言のゴミ袋男はスポーツ刈り 後ろ姿の絵作成へ」とゴミ袋の男がスポーツ刈りだったと報じられた。新聞によれば、捜査本部は数回に及ぶ事情聴取の結果、スポーツ刈りで、がっちりした体格の男との証言を得たという。2日後には、行方不明になる前後にタンク山にいた不審な男の目撃証言も取り上げた。この男の特徴も角刈り風の短髪、がっちりした体つきで目付きが鋭く、ゴミ袋の男と酷似している、と報じている。 産経新聞でも、ゴミ袋の男は身長170センチ前後の筋肉質で横わけできないほどの短髪であると報道。さらに、新たな目撃証言では、がっしりした体格でホームベース形の角張った顔、短髪という具体的な犯人像が浮かび上がった。「ホームベース形の角張った顔」「横わけできないほどの短髪」という目撃情報が加わることにより、犯人像がどんどんひとり歩きした。 6月24日付読売新聞では、兵庫県警察捜査本部は犯人像を「二十代から四十代前半までの身長一メートル七〇前後、スポーツ刈りの男」との見方を強め、不審者を約40人に絞りこんだ模様、と報じている。 テレビ、週刊誌も新聞同様に「黒のブルーバード」「白いワゴン」「30-40歳の短髪男性」などをキーワードに犯人像の特定に励んだという。 6月中旬、あるスポーツ紙が「本誌が全身像を作成」と独自に犯人のイラストを掲載。「不審な30-40歳の男」は自社取材で肉付きがよく引き締まった顔、きつい目、首と腕が太い、などの特徴があることがわかったとし、それらのデータを元に全身像を作成した、という。夕刊紙にも、スポーツ紙と似た「(本紙が)目撃情報をもとに独自に作製した『酒鬼薔薇聖斗』の似顔絵」をカラーで掲載。 さらに、民放のワイドショー番組でも似顔絵を数種類作製し、不審人物を目撃したという市民に見せて回るという犯人捜しが行われた。
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