鷲羽丸とは? わかりやすく解説

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鷲羽丸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/07 16:21 UTC 版)

鷲羽丸
基本情報
船種 車載客船
クラス 紫雲丸級車載客船
船籍 日本
所有者 運輸省鉄道総局
日本国有鉄道
運用者 運輸省鉄道総局
日本国有鉄道
建造所 播磨造船所[1]
母港 東京港/東京都[2]
姉妹船 紫雲丸
眉山丸
船舶番号 61153[2]
信号符字 JQDY[2]
経歴
起工 1947年3月11日[3]
進水 1948年2月28日[3]
竣工 1948年5月29日[3]
就航 1948年6月25日[4]
運航終了 1967年10月24日[5]
最後 1968年7月17日解体
要目
総トン数 就航時
1,456.2トン
終航時
1,514.2トン
載貨重量 567トン[2]
全長 76.2m
垂線間長 72.0m[2]
型幅 13.2m
型深さ 5.0m[2]
主機関 石川島タービン機関 2基[2]
推進器 スクリュープロペラ 2軸
出力 2,030SHP[2]
最大速力 14.546ノット[2]
航海速力 12.8ノット[2]
旅客定員 就航時
一等:20名
二等:167名
三等:1,313名
終航時
二等:255名
三等:1,419名
車両搭載数 ワム換算14両
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鷲羽丸(わしゅうまる)は、日本国有鉄道(国鉄)鉄道連絡船宇高連絡船船舶である。

紫雲丸型の3番船で、同型船には「紫雲丸」、「眉山丸」がある。宇高航路においては、初の車載客船でもあった。

船名の「鷲羽」は岡山県鷲羽山に由来する。

船歴

太平洋戦争後、宇高連絡船は輸送量が増加し、従来の船舶では需要の増大に対応できなくなったことから、大型船の導入が計画され、1946年昭和21年)から3隻の大型船の建造が進められた。

「鷲羽丸」は播磨造船所で建造され[1]1947年(昭和22年)3月11日に起工[3]1948年(昭和23年)2月28日に進水し[3]、同年5月29日に竣工[3]。竣工と同時にGHQ日本商船管理局en:Shipping Control Authority for the Japanese Merchant Marine, SCAJAP)によりSCAJAP-W013の管理番号が付与された[2]。 同年6月25日に就航[4]。紫雲丸型では3番目の就航であった。

1950年(昭和25年)3月13日昭和天皇の四国巡幸(昭和天皇の戦後巡幸)に際し「鷲羽丸」がお召し船となり、四国へ向かう天皇を乗せた[6][7]

この直後の同年3月25日0時53分、直島荒神島間の直島水道にて、「鷲羽丸」(下り貨物1021便)と「紫雲丸」(上り貨物1020便)が衝突。「鷲羽丸」の船首が「紫雲丸」の船尾車両甲板下の3等客室前部右舷に突き刺る。「紫雲丸」は横倒しになり、1時4分に沈没。死者7名。

1952年(昭和27年)9月23日、高松鉄道桟橋沖で「福浦丸」と接触[8]。翌1953年(昭和28年)1月18日、高松港赤灯台台下に乗り上げた[8]

1954年(昭和29年)4月29日、「鷲羽丸」は「第一チュンシン丸」[9]と衝突した[10]。「鷲羽丸」は、その日の2時20分に高松港を出港して宇野港へ向かっていた[11]。西航する「第一チュンシン丸」を認め500メートルまで接近したところで船長は右転を命じた[12]。一方の「第一チュンシン丸」船長は当初、北航する「鷲羽丸」の前方を横切れると思っていたが、その後無理と判断して左転を命令[12]。両者は接近し、双方で機関停止などが命じられるも衝突した[12]。「鷲羽丸」に被害はなかったが、「第一チュンシン丸」は浸水して水船となり、高松港へ曳航された[12]

1956年(昭和31年)8月13日、高松港口白灯台台下で漁船と接触[13]

1967年(昭和42年)10月24日、休航[5]1968年(昭和43年)1月20日、高松港西防波堤に係船[5]。同年7月15日に甘糟産業汽船に2230万円で売却された[5]。同年7月17日、解体[2]

脚注

  1. ^ a b 萩原幹生『宇高連絡船78年の歩み』337ページ
  2. ^ a b c d e f g h i j k l なつかしい日本の汽船 鷲羽丸”. 長澤文雄. 2025年5月3日閲覧。
  3. ^ a b c d e f 『播磨造船所50年史』467ページ
  4. ^ a b 萩原幹生『宇高連絡船78年の歩み』282ページ
  5. ^ a b c d 萩原幹生『宇高連絡船78年の歩み』292ページ
  6. ^ 『宇高航路50年史』16ページ
  7. ^ 原武史『昭和天皇御召列車全記録』新潮社、2016年9月30日、102頁。ISBN 978-4-10-320523-4 
  8. ^ a b 萩原幹生『宇高連絡船78年の歩み』285ページ
  9. ^ 萩原幹生『宇高連絡船78年の歩み』286ページでは「天信号」(24トン)
  10. ^ 萩原幹生『宇高連絡船78年の歩み』187-188ページ
  11. ^ 萩原幹生『宇高連絡船78年の歩み』187ページ
  12. ^ a b c d 萩原幹生『宇高連絡船78年の歩み』188ページ
  13. ^ 萩原幹生『宇高連絡船78年の歩み』288ページ

参考文献

  • 萩原幹生(編著)『宇高連絡船78年の歩み』成山堂書店、2000年、ISBN 4-425-92331-6
  • 『宇高航路50年史』日本国有鉄道四国支社宇高船舶管理部、1961年
  • 播磨造船所50年史編纂室(編)『播磨造船所50年史』播磨造船所、1960年




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