高馬力ガスエンジン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 19:41 UTC 版)
希薄燃焼の概念は、天然ガス、バイオガス、液化石油ガスを燃料とする高馬力エンジンの設計のためにもしばしば使われる。これらのエンジンは、エンジンが負荷やエンジン速にかかわらず薄い空燃混合気を使って作動するフルタイム希薄燃焼と、エンジンが低い負荷時および高いエンジン速でのみ希薄燃焼で作動し、その他の場合は化学量論的な混合気に戻るパートタイム希薄燃焼のいずれでもあり得る。 高馬力希薄燃焼ガスエンジンは完全燃焼のために理論的に必要な量の2倍の空気を燃焼チャンバーへと送り込むことができる。極めて薄い空燃混合気はより低い燃焼温度をもたらし、したがってNOx形成も低くなる。希薄燃焼ガスエンジンはより高い熱効率をもたらすが、過渡応答および性能は特定の状況において損われうる。しかしながら、North American Repowerのような企業による燃料制御と閉ループ技術の進歩によってCARB(英語版)認証を受けた最新の希薄燃焼大型エンジンが生産され、商用車に使用されている。希薄燃焼ガスエンジンはほとんど常にターボチャージャー付きであり、これによって高い燃焼温度のため化学量論(ストイキ)エンジンでは得ることがでいない高い出力とトルクがもたらされる。 高馬力ガスエンジンはシリンダーヘッド内で予備燃焼室を利用するかもしれない。希薄なガス空気混合気は初めにピストンによって主燃焼室内で高度に圧縮される。より濃いが、より小さな体積のガス/空気混合気は予備燃焼室へと導入され、火花プラグによって点火される。火炎前面はシリンダー内の希薄なガス空気混合気に広がる。 この2段階希薄燃焼はNOxが低く、粒子状物質も排出しない。より高い圧縮比が達成されるため熱効率はより高い。 高馬力希薄燃焼ガスエンジンの製造会社には、MTU、カミンズ、キャタピラー、MWM(英語版)、GEイェンバッハ(英語版)、MANエナジー・ソリューションズ(英語版)、バルチラ、三菱重工業、ドレッサー・ランドGuascor(英語版)、ウォーケシャー・エンジン(英語版)、ロールス・ロイス・ホールディングスがある。
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