飲泉場とは? わかりやすく解説

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飲泉

(飲泉場 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/15 02:57 UTC 版)

飲泉場(湯村温泉

飲泉(いんせん)とは、温泉を飲むという行為、またはそのことによって病気の回復などの効能を得ようとすること。

概要

古く湯治においては、温泉に入るだけではなく、飲泉を行うことによってさらに回復効果が高まるという考えがあった。また、特に炭酸泉などは「霊泉」といわれ、薬効が高いものとして珍重されたほか、嗜好飲料として飲まれることもあった。明治5年笠置温泉において湧出した炭酸水を1本10銭で瓶詰めして販売したのをはじめ[1]として、有馬温泉の「有馬サイダー」[2]など明治大正時代にかけてサイダー飲料の原料として炭酸泉が用いられた事例も存在する。

現在でも、露天風呂の注ぎ口などにコップ柄杓などを設置して利用者に飲ませたり、別途蛇口を設置して、飲泉設備として整備している例が散見される。とはいっても、強酸性や強食塩泉であったり、温泉成分として水銀ヒ素等を含むなど、泉質によっては飲用に適さないものもある。また、温泉といっても循環風呂の注ぎ口のお湯など衛生上問題がある場合や、保健所に飲泉許可を取得していないために飲泉が禁じられている場合もある。

東京都の温泉では飲泉は許可されておらず、地域的に許可されていない場合がある[3][4]

飲泉の効果については、2017年の調査で12研究を発見し、胃腸、胆膵、糖の代謝についての効果が研究されており、それらに可能性はあるが泉質の多様性もあるため、さらなる研究が必要と論じた[5]

飲泉場の例

脚注

出典

  1. ^ “日本とドイツにおける飲泉文化の関係史”. 日独若者文化・ライフスタイル研究 (2). (2022-10). https://yamaoka-memorial.or.jp/media/jp/research_grant/papers/Japanese-German_youth_culture_lifestyle_research_2021-04.pdf. 
  2. ^ 昔「毒水」今「観光資源」 有馬温泉に湧き出る炭酸水 「サイダー」発祥の地” (Japanese). 神戸新聞NEXT (2019年10月8日). 2025年8月13日閲覧。
  3. ^ 前田眞治、市川勝、原麻理子、櫻井好美、平野絵美、小暮英輔、山本潤「東京都23区内の温泉と期待される温泉医学的効果」『日本温泉気候物理医学会雑誌』第74巻第4号、2011年8月1日、246-255頁、doi:10.11390/onki.74.246 
  4. ^ 温泉分析表別表には、飲泉に関する禁忌が記載されている。
  5. ^ 白石卓也, 小谷和彦「飲泉による身体効果」(PDF)『群馬パース大学紀要』第22巻、群馬パース大学、2017年3月、3-9頁、CRID 1050001337660506368ISSN 1880-2923NAID 120006495827 

参考文献

関連項目

外部リンク




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