温泉と国立公園
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/15 16:10 UTC 版)
「ホットスプリングス (アーカンソー州)」の記事における「温泉と国立公園」の解説
ダウンタウンの北、セントラル・アベニュー沿いに8軒のバスハウスが軒を連ねるバスハウス・ロウはホットスプリングス国立公園に指定されている区域内にあり、国家歴史登録財および国定歴史建造物に指定されている。しかし、今日バスハウスとして営業しているのは8軒のうち2軒だけである。そのうちの1軒、南から2軒目にあるバックスタッフ・バスハウスは、1912年に開館し、1970年代から1980年代にかけて他のバスハウスが相次いで閉館する中でも唯一営業を続けたバスハウスであり、現在も湯治を目的とした、伝統的な入湯法に基づいたサービスを行っている。日本の医師で、随筆家でもある向井万起男は、妻で宇宙飛行士の千秋と共にホットスプリングスを訪れた際に体験した伝統的な入湯法について、自身の著書「謎の1セント硬貨 真実は細部に宿る in USA」にて次のように述べている。 アメリカで温泉に入るというのは、あくまでも病気の治療をするためってことなんだなぁ。で、キッチリ決めたスケジュールに沿って入らなきゃいけないわけだ。病気でもない人が温泉に入ってくつろぐなんて発想はハナからないみたいだ。 一方、もう1軒、南から4軒目(バックスタッフ・バスハウスの2軒北)に立地しているクアポー・バス・アンド・スパは、1984年に一度は閉館したものの、2008年にリニューアルオープンしたバスハウスで、バックスタッフ・バスハウスとは異なり、温泉プール、カフェ、エステティックサロン、レセプション会場、土産物屋を備えた、現代型の温泉リゾート施設となっている。このクアポー・バス・アンド・スパの北隣に建つフォーダイス・バスハウスは、現在ではホットスプリングス国立公園のビジターセンター、および博物館になっている。 バスハウス・ロウの東に連なるノース・マウンテンと、西に連なるウェスト・マウンテンも温泉の源泉地帯としてホットスプリングス国立公園に指定されている。ノース・マウンテンの頂上(標高317m)には高さ65.8mのホットスプリングス・マウンテン・タワーが建っており、ホットスプリングスの街を一望できる展望台になっている。また、市内に6ヶ所ある飲泉場も国立公園局の管理下に置かれている。 ホットスプリングス国立公園内の源泉から流れ出る温泉水 バックスタッフ・バスハウス フォーダイス・バスハウス(ビジターセンター) 飲泉場 2010年、アメリカ・ザ・ビューティフル・クォーターというプログラムが始まり、各州を代表する国立公園等が裏面に描かれた25セント硬貨が造幣局より順次発行されることになった。ホットスプリングス国立公園は全米で最初の国立公園であることから、アーカンソー州を代表して適用第1号となり、2010年4月19日、裏面にホットスプリングス国立公園本部の建物が描かれた25セント硬貨が発行された。
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