食糧需給とフィッシュサステナビリティ(資源の有効利用)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/02/07 13:43 UTC 版)
「フィッシュサステナビリティ」の記事における「食糧需給とフィッシュサステナビリティ(資源の有効利用)」の解説
ニシンはピークとなった1987年には北海道を中心に年間97万トンの水揚げがあり、鰊御殿と呼ばれる豪邸に住む富裕漁師を多数産出した。しかし、乱獲(気象的要因も加ったという説もある)が原因で1955年以降は壊滅的な状態の100トン以下まで漁獲量を減らし、その後は産業として成り立たなくなってしまった。 1980年代には2度ほど魚群の回復がみられたが、若齢時の捕獲をしてしまったためその後の増殖に貢献できなかった。つまり、資源が自然回復に向かっているときの漁獲制限はかなり徹底的に行われないとフィッシュサステナビリティに貢献できないということである。 壊滅的状態であったニシン漁だが、2000年以降になって漁獲量復活の兆しがみえはじめている。特にここ数年は1000トン以上の漁獲を何度か記録している。これは、1996年から取り組んだ資源管理や2005年以降の漁業規制の成果とみられている。地元の漁協では漁に使う網の編み目を大きくして幼魚の混獲を避けている。 北海道近海におけるニシン漁は、冨を生み出す過程とその終焉を分かり易く示した。漁獲量が半分になったときに制限していたら、壊滅的な減少はしなかったかも知れない。 いま、マグロが直面している現状はニシンの末期に近づいている。卵を産む成魚数が激減しているからである。
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