食材としての卵巣
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/28 06:54 UTC 版)
多くの動物の卵は食用に用いられるが、卵を含む卵巣そのものを食用にするものも多い。卵は成熟すると卵巣外に放出(排卵)されることから、卵巣を食べるときには未成熟の卵ごと食べるということもできる。特に魚類の卵巣は腹子(はらこ)などと呼ばれる。 下記は、卵巣を食用に用いる動物と卵巣の名称である。 鳥類ニワトリ - 卵巣に卵管が付いたままのものをちょうちんや玉ひもと呼び、焼き鳥や煮込みなどに用いる。黄身の多い未成熟の卵が詰まっている。 魚類サケ類 - 塩漬けや醤油漬けなどにしたものを筋子と呼んで食す。より成熟度の高い卵巣を用い、卵をほぐしたものがイクラである。 タラ(スケトウダラ) - たらこ(鱈子)、辛子明太子。 チョウザメ - 塩蔵品であるキャビアは、世界三大珍味の一つである。 トビウオ - 塩漬けにしたものはとびこ(トビッコ)と呼ばれ、寿司ネタなどにされる。 ニシン - 塩漬けや乾物などにしたものは数の子と呼ばれ、日本の正月の縁起物として食べられる。 フグ - 卵巣にも猛毒を蓄えているため、通常の方法では食べられない。しかしこれを発酵によって除毒した河豚の卵巣の糠漬けがあり、金沢の名物になっている。 ボラ - 塩漬けにしたものを天日干しして作られるカラスミは、酒の肴として珍重される。 その他ウニ - 生、蒸したもの、塩漬けが寿司ネタや酒の肴などにされる。ウニとして一般に食用になるのは卵巣と精巣の両方で、見た目や味ではほとんど区別が付かない。これらは、ウニの体に放射状に5個入っている。 ナマコ - くちこ(このこ)の名で食用にする。塩辛にしたものを生くちこ(生このこ)、乾物にしたものを干しくちこ(干しこのこ)と言う。
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