順天堂ピース
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/14 16:49 UTC 版)
2016年夏、佐藤弘和は闘病中に自分のための曲作りのリハビリとして、毎日のように1頁の小品を書き続けていた。その時入院していた病院名にちなみ、それらの作品を自身で「順天堂ピース」と呼んだ。そして1曲書き上げる度にFacebook上に発表していった。それを見た人たちが次々と演奏動画を投稿しており、作品が発表され始めてから1週間たった頃、第7曲(スケルツォ)を原善伸も気楽なつもりで演奏し動画を投稿した。それに対して佐藤から原に、「凄く嬉しいです。ありがとうございました。だけど、出来れば繰り返しをしてくれたらもっと嬉しい」と返答があった。返事を読んだ原は、作曲家が付けた記号を意味なく省略したことにとても申し訳なさを感じ、「じゃあ本気でやってみよう」と思い、次の日から佐藤が発表していくものを、すぐに練習してその日のうちに動画を投稿することを繰り返していった。当初は『マリオネットの踊り』を終曲とする12曲で終了予定だったが、それから第17曲『未来への歌』までの5曲がさらに佐藤から追加された。これらの17曲を「順天堂ピース」と呼ぶ。原が見舞いに行った際にCD化を申し出、さらに7曲の作曲を追加依頼した。全24曲の最後が『希望へのコラール』と名付けられている。17曲の最後が『未来への歌』、全24曲の最後が『希望へのコラール』となっていることに関して原は、「これはただ単純に回復への望みや希望を述べたというものではなくて、もっと崇高なもの、闘病中の様々な感情を乗り越えて来た後に、佐藤君が達した境地というか、僕たちでは考えが及ばない高みに昇った彼の、祈りそのものなのでしょうね」と述べている。これらの音楽は『鳥が飛ぶ ー佐藤弘和作品集ー』というタイトルでCD化され発売されている。作曲譜集は『音楽のエッセイ~ギターソロのための24の小品集』として出版されている。その後、佐藤はマンドリンアンサンブル用の小品集「音楽の花束」の作曲に連日取り組んでいた。出版される予定ではなかったが、その後2017年7月21日に出版されている。
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