音響機器における平衡接続
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/10 13:13 UTC 版)
「平衡接続」の記事における「音響機器における平衡接続」の解説
音響機器相互の接続(マイク - ミキサー - アンプ・録音機器、など)の場合、音声信号(英語版)の伝送には、電子回路相互を接続する必要があることから、基準電圧になる「GROUND(グラウンド・接地)」を接続する必要がある。このため、平衡接続には3本の電線が必要になる。本来の信号を伝える「HOT(ホット)」、逆位相の信号を伝える「COLD(コールド)」、そして接地線「GROUND(グラウンド)」の3本。接地線はケーブルの外皮シールドを兼ねている場合が多く、平衡接続が本来持つ性質に加え高い対ノイズ性能を得ることができる。 通常の増幅回路では、本来の信号「HOT」と接地「GROUND」が入力に接続されていればよく、逆位相の信号はしいて必要とはされない。しかし、業務用機器を利用するプロ音響の世界では、微弱な信号を扱うマイクロホンとミキサー(音声調整卓)との間が、数十メートル以上離れることも多く、外来ノイズの影響を受けやすい。こうした部分の接続に平衡接続を取り入れると、受信する側でトランスや演算回路を使って、HOT側信号と、受信回路でもう一度位相を逆転させたCOLD信号(つまりHOT信号と同位相になった信号)を加算すれば、外来ノイズの多くがコモン・モード・ノイズであるため加算時に打ち消すことが可能である。このためPA機器では「ノイズに強い、長距離伝送ができる」接続方式として、平衡接続(バランス接続)が多用されている。この方法ではGROUNDとHOT/COLDとの間に直流電圧をかけられるので、マイクロホンやダイレクト・ボックスへの電源供給線を兼ねる場合がある(ファントム電源。マイクロフォン#電源供給法参照)。 XLR型3ピンコネクタを用いた音響機器の平衡接続(英語版)に関してはXLRタイプコネクターの項を参照のこと。
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