音響機器におけるダイナミックレンジの例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/23 16:16 UTC 版)
「ダイナミックレンジ」の記事における「音響機器におけるダイナミックレンジの例」の解説
以下の例は媒体や伝送路がもつダイナミックレンジの最大値であって、その媒体に収録されたり伝送されたりする音声信号がすべてこの値を持つわけではないことに注意。 コンパクトカセットが持つダイナミックレンジは、磁性体やノイズリダクションの方式によって差異はあるがおよそ55~60dBといわれる。かつての高級ノーマルテープやハイポジションテープでは60dB以上、メタルテープでは最大62~63dBに達するものも存在した。 日本国内の、デジタルラジオを除くFM放送が持つダイナミックレンジは、およそ60dBといわれる。聴取できる最小音量は、受信機の性能や送信所からの距離などに起因する受信状態に、大きく影響を受ける。また、電波送出に用いられる送信機は過変調を防ぐために最大値制限回路(リミッター回路と呼ぶ)を備えており、これがダイナミックレンジの一端である最大値を制限している。 レコードが持つダイナミックレンジは、およそ65dBといわれる。これはレコード盤に刻まれた物理的な溝の振幅比率であり、最小振幅はレコード針が検知できる下限、最大振幅は1周違いの隣の溝にはみ出さないことが上限となる。 オープンリールテープが持つダイナミックレンジは、磁性体やトラック幅によって差異はあるがおよそ70dBといわれる。 Super Audio CDなどを除く、一般の音楽用コンパクトディスクが持つダイナミックレンジは、96dBである。デジタル媒体であるため、規格から計算によって導かれる。 (参考)人間の聴覚が持つダイナミックレンジは、個人差はあるもののおよそ120dBといわれる。これは知覚できる最小の音圧と、苦痛を感じる最大音圧の比率である。
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