録音機器
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/23 06:32 UTC 版)
録音機がアナログだった時代にはミキシングコンソールにはテストトーン用の正弦波発振器が内蔵されていることが多く、もっぱらアナログ録音機のレベル調整用として用いられた。一般にマスターテープに対して基準レベルとして1kHz0VUの信号とともに、アジマス及びイコライザー調整用の10kHzと低域イコライザー調整用の100Hzを記録することが一般的だった。例えば、日本民間放送連盟の「ラジオCM素材取り扱い要領(2005年改訂版)」では、6mmオープンリールテープでラジオ局にCMを搬入する場合、角度規正用信号10kHzとレベル規正用信号1kHzを10秒ずつ記録することになっている。なお、アジマス調整用信号の周波数は時代により更に低い場合がある。 なおデジタルオーディオ機器の測定の際に用いられるテストトーンは1kHzではなく、997Hzが使用される。その理由は997は1000に最も近い素数であり、なおかつ素数であれば1とそれ自身以外のサンプリング周波数で割り切れないため、測定ポイントが音声信号の特定の位相に隔たることがなくなって測定誤差を極限まで減らすことができるからである。この997Hzのテストトーンは、周波数の正確さを必要としない場面ではアナログオーディオの頃からの慣習にならって「1kHz」と呼んでもよいことになっている。 録音機がデジタル化された当初は量子化ビット数による最大振幅の信号を0dB(0dBFS)として-20dBを0VUとする調整がなされることが多かった。しかし、POPS系の作品ではリミッターにより聴感上の音圧を上げてより聴感上の平均レベルが上がるような運用がなされた、といったことがあって、音楽録音ではジャンルによりピークマージンが異なる運用が一般的になった。POPS系の作品では-16dBあるいはそれ以上を基準として用いるケースが多くなった。
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