音付きの1930年版
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「オペラの怪人 (1925年の映画)」の記事における「音付きの1930年版」の解説
1928年から1929年に音入りの映画の導入が成功し、ユニバーサルはガストン・ルルーの遺産管理者から『オペラの怪人』続編の権利を獲得したと発表した。『The Return of the Phantom 』(帰ってきた怪人、の意)と題し、音入りのカラー映画となる予定であった。この時チェイニーはMGMと契約中だったためユニバーサルはチェイニーを起用することができなかったが、非公表ではあったがチェイニーはすでに咽頭癌を患っており、翌年亡くなった。 ユニバーサルは続編の案を破棄し、代わりに新たな音楽や音響、新たな台詞を追加した『オペラの怪人』を再編集することにした。1929年8月、監督のアーネスト・レムリ、フランク・マコーミックは映画の半分弱を撮影し直し、その間残りのシーンにジョセフ・シャーニアフスキー編曲の音楽や音響を追加した。メアリー・フィルビンとノーマン・ケリーは音響のために前回と同じ役を再演し、エドワード・マーティンデル、ジョージ・B・ウィリアムズ、フィリップス・スモリー、レイ・ホルダネス、エドワード・デイヴィスが出演不可能な役者の代役となった。ユニバーサルは契約によりチェイニーの台詞をアフレコすることはできなかったが、影として登場させ第三者に台詞を言わせることで解決した。この第三者はクレジットされていないが、フィリップ・スモリーとされる。映画ファンたちからチェイニーのトーキー初出演を期待されていたが、宣伝においてチェイニーはサイレントでの出演と強調された。 1930年2月16日、『オペラの怪人』音入り版が開幕し、さらに数百万ドルの興行収入をあげた。この音入り版のフィルムは現存せず、サウンドトラックのディスクのみが現存している。 ロン・チェイニー演じるオペラの怪人 この映画の成功により、ユニバーサルは「ユニバーサル・モンスターズ」としてホラー映画製作に力を入れるようになり、『魔人ドラキュラ』(1931年)、『フランケンシュタイン』(1931年)、『狼男』(1941年)、『透明人間』(1933年)、『ミイラ再生』(1932年)およびそれぞれの続編などが製作された。現在これらの多くがクラシック映画とされている。
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