霊的・宗教的側面
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/18 14:01 UTC 版)
「自己啓発セミナー」の記事における「霊的・宗教的側面」の解説
ニューエイジを論じたレイチェル・ストームは、自己啓発セミナーはセールスマン精神と積極思考とスピリチュアリティを取り込み、哲学と東洋神秘主義を加味した自己宗教と評している。 参加の動機は貧困や戦争ではなく「空しさ」で、新新宗教の入信と重なる部分がある。 「気づき」「ブレイクスルー」が重視されるが、小池靖は、これは宗教における回心の世俗的代替物を志向していると指摘している。勧誘だけでなく、セミナーでの体験は全体的に宗教団体と似通っており、「自己発見」「自己覚醒」という点で明らかに類似している。島薗進は、セミナー的生き方、人格の根を受け付ける「自己啓発」の過程は宗教的自己覚醒の世俗化された形態、心理療法化した形態ともみなせると述べている。 表だって宗教的・神秘的な主張はしないが、自己変容の追求という点で、現代の他の霊性運動を密接にかかわっている。小池靖は、「有料で限定的な個人向けイニシエーションのプロセス」であると述べており、セミナーの体験からより宗教的、神秘的な自己変容の方向に進んでいく人も多く、ニューエイジなどの現代の霊性運動の重要な一部となっている。 一部だが、ライフスペースのように自己啓発セミナー会社が宗教的・コミューン的に変容した例もある。ジャーナリストの塩谷智美は、自己啓発セミナーの宗教団体化は、バブル崩壊によって参加者集めに苦しむようになったことが背景にあると分析されており、統一教会と全く思想が異なるにもかかわらず提携している会社もあると述べている。統一教会の正体を隠した勧誘の中には、自己啓発セミナーがある。
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