陸軍士官学校との違い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/04 09:58 UTC 版)
「陸軍予備士官学校 (日本)」の記事における「陸軍士官学校との違い」の解説
陸軍予備士官学校は「予備役将校ト為スベキ生徒ヲ教育スル所トス」「生徒ハ甲種幹部候補生ヲ以テ之ニ充テ(後略)」と陸軍予備士官学校令の第1条および第2条に定められた、甲種幹部候補生を生徒として兵科予備役将校となる教育を行う学校である。それに対して、1874年(明治7年)東京府市ヶ谷台に開校し、1937年(昭和12年)神奈川県座間町に移転した陸軍士官学校は、兵科将校となる生徒を教育する点では同様であるが、陸軍士官学校令(勅令第744号)第1条および第2条において「各兵科(憲兵科及航空兵科ヲ除ク以下之ニ同ジ)将校ト為スベキ生徒ヲ教育スル所トス」「生徒ハ各兵科士官候補生ニシテ所定ノ隊附勤務ヲ習得シタル者ヲ以テ之ニ充テ(後略)」(1938年12月改正時点)と定められ、士官候補生を生徒として兵科現役将校となる教育を行う点が根本的に異なる。さらに陸軍予備士官学校の入校期間が1年未満と短期間であるのに対し、陸軍士官学校は予科を含めて複数年の教育を行う(入校期間は時代によって異なる)点にも違いがある。戦時、平時を問わず恒常的に軍務につく、いわゆる「職業軍人」として陸軍の本流となる兵科現役将校に必要な素養を、できる限り時間を掛けて教育したのが陸軍士官学校である。 陸軍予科士官学校も、わずか一字違いのために混同されやすく注意が必要である。陸軍予科士官学校とは陸軍士官学校予科を前身として1937年(昭和12年)市ヶ谷台に設置され、「各兵科士官候補生ト為スベキ生徒 及各兵科(憲兵科ヲ除ク)将校ト為スベキ学生ヲ教育スル所トス」「生徒ハ陸軍幼年学校ヲ卒業シタル者又ハ陸軍将校タルコトヲ志願シ召募試験ニ合格シタル者ヲ以テ之ニ充テ(後略)」と定められ、陸軍幼年学校卒業者、あるいは中学校出身者などを生徒として、前記の陸軍士官学校へ入校する士官候補生となるための教育(および現役下士官、准士官の陸軍少尉候補者を学生として兵科現役将校となる教育)を行う学校である。陸軍予科士官学校も生徒教育、学生教育ともに兵科現役将校養成が目的であった。
※この「陸軍士官学校との違い」の解説は、「陸軍予備士官学校 (日本)」の解説の一部です。
「陸軍士官学校との違い」を含む「陸軍予備士官学校 (日本)」の記事については、「陸軍予備士官学校 (日本)」の概要を参照ください。
- 陸軍士官学校との違いのページへのリンク