開発段階でのフリーガーファウスト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 02:19 UTC 版)
「フリーガーファウスト」の記事における「開発段階でのフリーガーファウスト」の解説
ルフトファウストA型 陸軍兵器局からの要請を受けたライプツィヒにあったフーゴ・シュナイダーAG(HASAG)は、1944年7月に携帯用防空兵器の研究を開始し、初期型が完成した。内径2cmの砲身4本を縦に並べた形状で、最初の発射実験ではMG 151/20用のミーネンゲショス(薄殻弾頭榴弾)の装薬を抜いた物が使われた。これは、パンツァーファウスト同様に無反動砲式に発射されるもので、まだロケット弾ではなかった。次いで2 cm Flak 38対空機関砲用の曳光榴弾の弾頭が使えるようになり、この19gの炸薬を内蔵した90gの弾頭にロケット推進体が追加された。これは、初速と射程を増加させるもので一度に4発が発射され、最高速度は380m/sに達した。この初期型は「ルフトファウストA型」と命名されたが、テスト段階で目標に対し十分に弾幕が広がらないことから正式採用に至らなかった。 A型はその後改良され、発射管の口径を3cmに拡張し、さらに発射管を6門に変更。弾薬に330gの3cmロケット弾を使用した物を完成させたが、射程が短く命中率も悪かったため正式採用に至らなかった。 ルフトファウストB型(1945年2月4日にフリーガーファウストと改名) 外見の特徴としては、9門のロケット弾発射用筒が一つに束ねられ、位置も筒内部に中央の1門を中心に回りを囲むように残り8門が並んで配置されている。発射は2斉射式を採用し、射撃するとまず最初4門のロケット弾が発射され、0.2秒遅れて残りの5門が発射される仕組みであった。その他にも発射筒前後にはグリップおよび肩当てが装着、筒の上部には簡単な横長照準装置が装着されていた。完成したフリーガーファウストは、通常は専用の携行箱に収められ、即座に使用できるように5発のロケット弾があらかじめ装填されている。 発射方法は、まず発射筒を肩に担ぎ、前方照準器で低空で進入してくる航空機に狙いをつけ発射する。有効射程は500メートル、最大射程は2,000メートルで、目標に対し弾幕が広がって着弾するため命中率は非常に高かったようである。
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