開発・普及の歴史
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「ロボット支援手術」の記事における「開発・普及の歴史」の解説
元々は、1990年代にアメリカ陸軍が軍用に開発を依頼したものである。米国本土またはアメリカ海軍の航空母艦に滞在中の医師によって、遠隔操作で戦場の負傷者に対して必要な手術を行うことが目的とされた。しかし、湾岸戦争が予想より早く終結したために開発は軍の関与を離れ、以後民間で開発が続けられ、1999年に「Da Vinci(ダ・ヴィンチ)」が完成。2000年7月にアメリカ食品医薬品局(FDA)より承認された。インテュイティヴ・サージカル社や複数の企業で開発、生産される。2019年には主要技術の特許切れがあり、以降各国での使用や開発が進んでいる。 日本の東京工業大学では空気圧を使用した手術支援ロボットの開発が進められる。空気圧を用いることによって患部に触った力を鉗子につながった空気圧シリンダーを通じて術者にフィードバックできる。 代表的な機種であるダ・ヴィンチは2014年までに、米国2,153台、欧州322台、アジア322台、全世界では約3,100台が導入されていて日本国内では2015年末時点で大学病院を中心に211台導入されている。中華人民共和国は天津大学、南開大学、天津医科大学の共同プロジェクトとして、ダ・ヴィンチに瓜二つの「妙手A」という名称の手術ロボットを開発し、2010年7月天津市科学技術委員会が承認した。 その他に前述の東京工業大学やGoogleでも類似のロボットが開発されている。ダ・ヴィンチの主要特許の多くが2019年に期限切れとなったため、各国で開発が盛んになっている。川崎重工業とシスメックスが共同出資で設立した企業メディカロイド(兵庫県神戸市)は日本国産初の実用手術支援ロボット「ヒノトリ サージカルロボットシステム」を製品化した。
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