鋸山金谷温泉
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/10 02:04 UTC 版)
鋸山金谷温泉(のこぎりやまかなやおんせん)は、主に千葉県富津市にある温泉(鉱泉)。2025年(令和7年)現在、房州大福温泉およびかなや温泉の2源泉が存在する。
概要
鋸山金谷温泉
元の源泉。開湯は1970年(昭和45年)[1]。1971年(昭和46年)から供給をはじめた[2]。その名の通り鋸山の北部から湧出していた。泉質は中性ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉。ヨウ素を多く含み、「黒湯」として知られていた。源泉温度が低く、加温して利用されていた[3]。
1854年(嘉永7年)創業の旅館[注 1]「かぢや旅館」に引かれたのち[4]、1971年(昭和46年)に「金泉館」[注 2]が開業、時期不明だが「海浜ホテル萬年屋」[注 3]でも引湯された。
富津市が管理運営を行っていたが、2021年(令和3年)に撤退し、同時に閉栓がなされた[5]。
房州大福温泉
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温泉情報 | |
所在地 | 千葉県安房郡鋸南町下佐久間字堤ヶ谷5713 |
座標 | 北緯35度6分15.5秒,東経139度50分0.9秒 |
交通 | 鋸南町循環バス「岩井袋」下車、徒歩7分 |
泉質 | ナトリウム・カルシウム・マグネシウムー硫酸塩冷鉱泉 |
泉温(摂氏) | 20.2 °C |
湧出量 | 49L/分 |
pH | 7.8 |
液性の分類 | 弱アルカリ性 |
浸透圧の分類 | 低張性 |
鋸山金谷温泉の閉栓後に「かぢや」で使われている源泉[注 4]。源泉は鋸南町の安房温泉の区域、水産冷凍業の「大福商店」敷地内にあり、そこから運んでいる[6]。開湯は2007年(平成19年)[7]。
弱アルカリ性ナトリウム・カルシウム・マグネシウムー硫酸塩泉であり、健康増進・疲労回復の効能から「ちちんぷいぷいの湯」とも謳われる[6]。
現在、家庭向け温泉として販売を行っている[6]。
かなや温泉
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温泉情報 | |
所在地 | 千葉県富津市金谷524 |
座標 | 北緯35度11分7.6秒,東経139度49分5.0秒 |
交通 | #交通参照 |
泉質 | ナトリウム・カルシウムー硫酸塩・炭酸水素塩冷鉱泉 |
泉温(摂氏) | 17.8 °C |
湧出量 | 163Ⅼ/分 |
pH | 8.4 |
液性の分類 | 弱アルカリ性 |
浸透圧の分類 | 低張性 |
温泉施設数 | 1 |
金谷地区北部、宿泊可能な複合温泉施設である「天然温泉海辺の湯金谷店」で用いられている源泉。
オープンは2006年(平成18年)[8]。弱アルカリ性ナトリウム・カルシウムー硫酸塩・炭酸水素塩泉であり、加温・加水・消毒の上で使用されている。また、炭酸効果を高めるためナノ水を全館で導入している[9]。
鋸山登山との関連
るるぶなど多くのガイドブックにおいて、鋸山登山とセットの観光が紹介されている。鋸山は低山登山の名所として著名である。また東京湾フェリーや浜金谷駅など都心部へのアクセスも容易であることから多くの利用があり、浜金谷駅周辺には「鋸山金谷温泉郷」の文字が書かれた歓迎モニュメントや観光案内所の痕跡が残る[10]。
交通
- 「かぢや」および「金谷ステーション」
- 「天然海辺の湯金谷店」
施設情報リンク
脚注
- ^ う沢喜久雄『ちばの温泉~地湯(じゆ)ってきちゃう~』崙書房、1999年。
- ^ “futtsu.his2025.pdf”. 富津市 (2025年4月21日). 2025年5月9日閲覧。
- ^ “【連載】ハイキングと軽登山で楽しむ秘湯&温泉「第1回 鋸山と金谷温泉(千葉県)」 | ゆこたび”. yukotabi.yukoyuko.net. 2025年5月9日閲覧。
- ^ “【かぢや旅館の紹介】かぢや旅館公式サイト 南房総国定公園・鋸山金谷温泉郷”. www.kajiyaryokan.com. 2025年5月8日閲覧。
- ^ “鋸山金谷温泉郷 かぢや旅館”. chinetsu.net. 2025年5月8日閲覧。
- ^ a b c “房州大福温泉”. 房州大福温泉. 2025年5月9日閲覧。
- ^ “大福温泉(鋸南町下佐久間)”. machispa.la.coocan.jp. 2025年5月9日閲覧。
- ^ “天然温泉 海辺の湯 || 千葉県富津市金谷の日帰り温泉です。 ・ 温泉”. spa-tokyo.net. 2025年5月10日閲覧。
- ^ “温泉 | 天然温泉 海辺の湯”. 天然温泉 海辺の湯. 2025年5月10日閲覧。
- ^ 明里 (2022年5月20日). “浜金谷駅周辺の商店街。遊園地、鋸山金谷温泉の歴史 -金谷⑴ | 商店街・横丁 | Deepランド”. deepland.blog. 2025年5月10日閲覧。
注
- ^ 創業当時は鍛冶屋であった。
- ^ 2017年(平成29年)に市によって改装され「金谷ステーション」という複合施設になった。
- ^ 2021年(令和3年)に土地の登記が抹消され、閉館したとみられている。
- ^ 「金谷ステーション」も2021年(令和3年)に源泉を変更しているが、この源泉かどうかは不明。
- ^ 土休日は特急「新宿さざなみ」が停車する。
関連項目
固有名詞の分類
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