銅貨の素材
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/20 16:11 UTC 版)
「銅貨」の語は、素材面から見ると、最も狭義には純銅~銅96%以上の合金(高銅合金)で作られているものをいい、日本の貨幣では1873年(明治6年)制定の竜2銭・竜1銭・竜半銭・1厘銅貨(品位は銅98%、錫1%、亜鉛1%)がこれに当たり、純銅製のものはアメリカの1793年–1857年の1セント銅貨やハーフセント銅貨などの例がある。しかし、銅貨が純銅で製造されることは少なく、多くは耐久性などの面から青銅貨として鋳造される。一般的には、銅貨というと、この青銅貨(現行の日本の硬貨では十円硬貨がこれに当たる)を指す場合が多いが、他にも銅を主体とする合金、例えば黄色い黄銅貨や白い白銅貨、洋銀貨やアルミニウム青銅貨、さらにはノルディック・ゴールド貨なども広義では銅貨の範疇に入る。 世界的には、一般的に高額硬貨は白銅貨が、また低額硬貨には青銅貨が用いられる場合が多くなっている。高額硬貨について、偽造防止などのため日本の2代目五百円硬貨のニッケル黄銅のような特殊な合金が用いられる場合もある。近年の銅価格の高騰により、英国の2ペンス銅貨(1992年以前鋳造分)は金属素材として額面以上の価値を持つに至っている。ちなみに青銅貨レベルよりも小さな額面の硬貨に関しては、ステンレスやメッキを施した鋼鉄(鉄貨)が用いられる場合が多く、日本の一円硬貨のようにアルミニウムが用いられる場合もある。 変わった例として、クラッドメタルというタイプのものも増えてきている。これは、アメリカの硬貨に代表されるように、「表面は白い白銅であるが中身は青銅(縁の部分を見ると赤茶色の銅の色が見られる)」などのように、2種類の金属の貼り合わせによる硬貨であり、素材面では普通広義の銅貨の範疇に入る。またバイメタル貨は外周と内側とで異なる2種類の金属を用いた硬貨で、これも素材面では普通広義の銅貨の範疇に入るものである。日本では、3代目五百円硬貨が銅を主体とするバイカラー・クラッド貨の例に当たる。
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