鉄道事業法の施行に伴う運営形態の変更
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「神戸高速鉄道」の記事における「鉄道事業法の施行に伴う運営形態の変更」の解説
1986年、国鉄分割民営化に備える形で鉄道事業法が成立し、これと引き換えに地方鉄道法が廃止されることが決まる。このとき、神戸高速鉄道は施設を保有し運行を行う第一種鉄道事業者として認定されることを希望したが、当時の運輸省は同社が「車両及び乗務員をもっぱら借り受けている」ことを理由に第一種鉄道事業者として認定せず、新法が施行された1987年4月からは鉄道事業法附則第三条第六号に規定された「法律の施行の日から一年間、鉄道事業法第三条第一項の(第一種鉄道事業者の)免許を受けないで、当該事業及びその受託に係る運転の管理を従前の例により引き続き営むことができる」事業者として、従前と同じ営業形態で営業を行った。第一種鉄道事業者として認定されるためには自社で車両と乗務員を用意する必要があったが、車両基地の確保が困難であるとともに、乗務員の要員確保などを含めて暫定措置の1年間で解決するのは困難であるとの判断からこれを断念、第三種鉄道事業者となっても「実質的に従来どおり」となる経営方法の模索を行うことになった。 神戸高速鉄道と乗り入れ4社が検討を行い、運輸省との交渉の結果、以下のスキームを採用することが認められ、1988年3月4日に鉄道事業免許の認可申請と「業務の管理の受委託申請書」を運輸省近畿運輸局に提出、同年3月24日に認可された。 神戸高速鉄道が第三種鉄道事業、4社が第二種鉄道事業の免許を取得。 運賃制度は「4社共通運賃」(=従前の神戸高速鉄道としての認可運賃)を採用する。 運転業務は4社が直接行うが、「列車の運行管理」と「出改札等の駅業務」については神戸高速鉄道に委託し、4社が業務委託料を支払う。 鉄道施設の保守管理は神戸高速鉄道が直接行う。 この結果、運賃収入は形式上第二種鉄道事業者である4社のものという扱いになるが、4社から神戸高速鉄道の受け取る業務委託料について「運賃収入から旅客の運送に要する実費相当額と鉄道線路使用料を差し引いた額とする」という取り決めがなされた結果、4社の第二種鉄道事業に係る収入は実質ゼロ(車両の運転に係る経費のみ)となって、神戸高速鉄道は第三種鉄道事業者でありながら地方鉄道法時代と同じ(第一種鉄道事業者相当の)運賃収入を得ることが出来るようになった。
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