鉄宝相華孔雀銅象嵌半舌鐙
主名称: | 鉄宝相華孔雀銅象嵌半舌鐙 |
指定番号: | 2581 |
枝番: | 00 |
指定年月日: | 1998.06.30(平成10.06.30) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 工芸品 |
ト書: | |
員数: | 一双 |
時代区分: | 平安時代 |
年代: | |
検索年代: | |
解説文: | 古墳時代から平安時代にかけて盛行した壺鐙【つぼあぶみ】と鎌倉時代以降に主流となる舌長鐙の中間的な形態を示す鐙は、「半舌鐙」と称され、『伴大納言絵詞』などの絵巻にも散見される。この半舌鐙の形態はこれまで、手向山【たむけやま】八幡宮に伝来した平安時代の遺例の如く、壺鐙に短い舌を付けたものと、『集古十種』所載の手向山八幡宮所蔵馬具類の図中にみられる、舌長鐙に近い「し」の字型のものが知られていたが、後者の形態は江戸時代の模古作が認められるのみで、実際の遺例には恵まれなかった。本品はこうした形態を示す現存唯一の半舌鐙で、稀有な形態に、孔雀文を中心とする華麗な宝相華唐草文を施した平安時代の優品である。 附の鉄舌鍛造の舌長鐙は全体に細身で、鳩胸を高く張った姿が、鎌倉時代の遺例である重文・円文螺鈿鞍(御嶽神社所蔵)に付属する舌長鐙の形態に類似する。中世、近世を通じて盛んに製作された舌長鐙のなかでも古例に属す、貴重な遺品の一つである。 |
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