金品の返還
・使用者は、労働者の死亡又は退職の場合において、権利者の請求があった場合においては、7日以内に賃金を支払い、積立金、保証金、貯蓄金その他の名称の如何を問わず、労働者の権利に属する金品を返還しなければならない、(労働基準法第23条)
・前条の賃金又は金品に関して争いがある場合において、使用者は異議のない部分を7日以内に支払い、又は返還しなければならない。(労働基準法第23条)
・権利者とは、退職の場合は労働者本人であるが、労働者が死亡した場合は労働者の相続人となる。この場合、相続財産となる。しかし、課税対象になるかならないかは、ケースバイケースである。(詳細は国税庁HPへ)尚、一般債権者は権利者に該当しない。
・金品とは、金銭のみならず労働者の私物も含まれる。(住み込み労働者の布団等)
・この規定ができた背景として、労働者の退職時における賃金、積立金を迅速に使用者に返還させないと、労働者の引きとめ策に悪用される場合は元より、労働者家族、労働者死亡時の遺族の生活を困窮させることになりかねないため、制定された。
金品の返還
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/16 21:24 UTC 版)
使用者は、労働者の死亡又は退職の場合において、権利者の請求があった場合においては、7日以内に賃金を支払い、積立金、保証金、貯蓄金その他名称の如何を問わず、労働者の権利に属する金品を返還しなければならない。これらの賃金又は金品に関して争がある場合においては、使用者は、異議のない部分を、7日以内に支払い、又は返還しなければならない(23条)。なお、所定の賃金支払日が7日よりも前に到来する場合は、その賃金支払日までに支払わなければならない。 「権利者」とは、通常は労働者本人であるが、当該労働者の死亡後はその相続人となる。もっとも労働協約・就業規則で民法の遺産相続順位と異なる旨を定めても違法ではない(昭和25年7月7日基収1786号)。なお、一般債権者は含まない(昭和22年9月13日発基第17号)。 「労働者の権利に属する金品」には、労働者が職場に持ち込んだ私物を含む。使用者が労働者に対して有する金銭債権の存在を以て「労働者の権利に属する金品」の返還を拒むことはできない(昭和41年2月2日39基収8818号)。 なお、退職手当については、7日を超えても、あらかじめ就業規則で定められた支払期日に支払えば足りる(昭和26年12月27日基収5483号、昭和63年3月14日基発150号)。 外国人労働者が退職する際には、返還の請求から7日以内に外国人労働者が出国する場合には、出国前に返還すること。また、事業主は、外国人労働者の旅券等を保管しないようにすること、とされる(「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」(平成19年厚生労働省告示第276号))。
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